図録 「拵(こしらえ)の魅力」

8−1 金梨地梶葉・角九曜紋散糸巻太刀拵


上総国(千葉)飯野の大名保科家伝来、江戸後期の作品。各所に保科家の紋である
「梶葉」と「角九曜」が施されている。

総金具は赤銅(しゃくどう)魚子地(ななこじ)で仙台伊達家藩工の渋谷安房の在銘。

太刀拵の鞘の足間を糸や韋(かわ)で巻く様式は古くからあったが、このように鞘を
梨地又は沃懸(いかけ)地にして蒔絵を施し、柄と足間を錦張りにして糸を巻く様式は
桃山時代に完成されたといわれる。

江戸時代の典型的な梨地蒔絵の糸巻太刀拵である。

「きんなしじ かじは・かくくようもんちらし いとまきたちこしらえ」