図録 「拵(こしらえ)の魅力」

8−5 黒呂色塗鞘丸の内州浜紋大小拵


江戸幕府に大身旗本として仕えた坪内家伝世品。
坪内伊豆守保之が駿府城代を務めた[嘉永5年(1848)〜安政4年
(1857)]頃のものといわれ、登城用の正式大小と称される拵である。

鞘尻(大:切鐺・小:丸鐺)の形や黒呂色の鞘塗、柄の白鮫着、金具は
赤銅魚子地に家紋を高彫にし、頭は黒塗角で黒糸を巻掛け、大に小柄・笄、
小に小柄が付くなどすべて本式通りに製作されている。
金具は米沢上杉家の抱え金工である横谷宗寿の一作である。

「くろろいろ ぬりさや まるのうち すはまもん だいしょうこしらえ」