尾川兼國師の栄誉を寿ぐ

              岐阜県支部 若原利彦

昨年春先、岐阜県山県市で活動する無鑑査刀匠の尾川兼國師は、長年に渡る業績が評価され、岐阜県の重要無形文化財保持者に認定されました。
鍛刀技術では先代の故兼圀師も無鑑査と岐阜県重要無形文化財保持者に認定されておりまして、親子二代に渡っての栄誉は県下初の快挙です。
そのため新型コロナウィルス感染症対策で4年に渡って会食を伴う会合を自粛してきた弊支部ですが、認定を追いかけるように第5類へ移行したことを転機として去る一月十三日、岐阜市のグランヴェール岐山において祝賀会を挙行いたしました。
これには久々の慶事でもあることで早々と開催企画に取り組んでいましたが、謙虚で奥床しい人柄の兼國師から、あまり大袈裟にせず慎ましやかに願いたいと希望されたため、行政首長や議員方、刀剣界関係者などの来賓招待は敢えて控え、支部員を中心とした有志だけで開催した次第です。
それでも当日は終始和やかな中にも、列席者全員がこの慶びを分かち合いたいという熱気に包まれ、宴会の余興ビンゴゲームが始まると兼國師造の小刀ほか、額装された押形(重美勝光宗光・孫六兼元・源清麿)など豪華賞品を目当てに白熱した光景が進み、あっという間に閉幕の刻限を迎えました。
兼國師の偉業に比すればささやかな宴ではありましたが、今後さらなる高みを目指して益々ご精進に励んで頂き、刀剣界に大きな足跡を残されることを期待して散会としました。

オペラ歌手ではありません。久保先生による鑑定刀の解説です。
三星は日頃の研鑽の甲斐あってかよく研究会に参加されている方々が獲得されていました。
鑑定会人位の賞品豆冑獲得者に課せられた冑セレブレーション。
記念品贈呈。兼國師作の脇指を近藤支部長が押形にした額装。
近藤支部長の主催者挨拶。スピ−チと鼻の下は長くしないとのことでした。
兼國師のスピ−チにしみじみと聞き入る若手刀匠2人。
まずはビール。
キレイな人との記念撮影に笑顔で応じる巨匠。
この日のために鍛えられた兼國師の名刀(小刀)、ビンゴゲ−ムの筆頭賞品です。はたして一番槍の幸運は誰の手に!!
幸運にも名刀を獲得された岩田顧問には、謡曲「竹生島」の一節を披露いただきました。
刀談義に花を咲かせる会員たち。