「鉄仏の製作年代と古伝書「古今鍛冶備考」からみた
　銑押し法と�ﾋ押し法の成立期の検討」

１．諸言

２．古代の製鉄技術

３．調査の方法

３．１　鉄仏の調査

３．２　古伝書「古今鍛冶備考」の調査

４．結果

４．１　鉄仏の調査

４．１．１　製作時代による製作点数の分類

４．１．２　製作年紀による製作点数の分類

４．２　古伝書「古今鍛冶備考」の調査

播州宍栗郡千草において、白鋼、つまり今日でいう玉鋼がいつどのようにして生産される
ようになったかを知るため、当該部分における原文の解読を行った。
その結果、白鋼吹きは天文（１５３２〜１５５４）頃より始まり、それ以前が銑生産で
あったことを述べていることがわかった。以下に原文を示した。

「さて、鉄を吹く法は、古今、また国所により異同あり。中古天文頃より始まる播州宍粟郡
千草の鉄山において白鋼を吹く法をたん略してここに録す。（中略）鉄山砂吹きの法古今
転移したる次叙を尋ねるに、往古の砂吹きの法は踏鞴を踏むこと七日七夜と言う。
炉釜も一重に塗り立て鉄湯を流し取るばかりにしてこれを銑と唱え、このひと色の鉄を
もって万器を造る。もっとも刀剣及び諸の刃物を作るには、鍛冶自から銑を研し鋼に
吹き抜き用ひしなり」。

５．考察

６．結論

本論の題目による調査に限ってみた場合、銑押し法は鎌倉時代には本格的なものとして
成立していた。�ﾋ押し法が開発されたのは室町時代後期、天文頃である。以後両技術は、
近世に至ると一度の操業で量産を可能とする大型炉による、より高度な生産技術へと
進展していったものと考える。

７．補完

文献