当支部会員参加による行事日程

戻り
古式日本刀鍛錬 一般公開
刀匠、研師、柄巻師、鞘師、白銀師の実演
1月2日、10月は関市「刃物祭り」開催日
3月、4月、6月、7月、9月、11月は第1日曜日



平成13年度「支部活動」日程

支部活動 期   日
(1)第1回研究会・支部総会 平成13年6月9日
(2)第2回研究会 平成13年7月21日
(3)第3回研究会 平成13年11月10日
(4)第4回研究会・懇親会 平成14年1月20日
(5)第5回研究会 平成14年3月16日

平成14年3月16日研究会

天位 52点 1名
地位 50点 1名
人位 48点 3名
次点 46点 5名

平成14年1月20日研究会

鑑定刀 刀工名 鑑定・鑑賞見所
一号刀 刀  極め 備州長船近景
  
芸州浅野家伝来
鞘書が浅野家の御家流の書体

姿、大摺り上げ、身幅広く、元先幅差付き、反り高く、腰反りを留め、中切先に結ぶ
 (鎌倉時代後期の太刀姿)

鍛え、板目詰み、鮮明な乱れ映り立ち、直刃を基調にして、互の目、小丁子を交え、
 所々逆かかる刃交える (景光への入札が首肯できる)

嫡系は、精良な肌合を示すが、傍系(近景・盛景・義景・元重)は、肌目立つ場合が
 多く、乱れ映りぼやける

焼刃、匂い勝ちであるが、所々小沸付く
 長船物のうち景光、近景、元重は沸付くのが一つの特徴 

帽子、浅くたるみ、先が尖って返り、刃方・棟方に先が倒れ、三作帽子を誇張した
 感じになる
 指裏、やや横手が立ち上がるが、健全なものに立ち上がってないものがあり、
 要研究(後に横手を下げたためか)とされている 

【長光・景光・近景】
  長光の弟子と云われ、近景が景光の代作代銘した作品が知られている近接した
  刀工である

  景光:嘉元4年紀〜建武元年
  近景:正和4年紀(昨年発見)〜貞和3年紀10年の開きがあり、景光の後輩に当る

  長光:短刀の作品が少ない
  景光:短刀の作品が多い
  近景:短刀の作品が少ない(重要3本)
二号刀 刀  藤原広実
三号刀 脇指 長谷部国重
四号刀 短刀 (表)肥前国忠吉
    (裏)彫物宗長
五号刀 刀  (表)長幸於摂津国作之
   (裏)以播州宍粟鋼鉄作入
姿、身幅広く、元先に幅差が付き、中切先にまとめ、やや反り付く
 寛文よりやや下った時代(年紀作:天和、貞享頃)の刀工で、元禄期(一竿子忠綱、
 近江守助直等)の姿に移行する過程

鍛え、板目良く詰み、乱れ映り鮮明に立つ
  光平に比して、乱れ映りがあまり鮮明にならないと云われる

焼刃、丁子をメイン、華やかに焼きを展開、
 匂い口締って、明るく冴える
 焼きが高く一見華やかだが、全体的にリズムに変化がなく、同じ調子で焼き高く焼く

帽子、乱れ込んで、指裏、尖って返る

【長幸の特徴】 
   匂い口が締って、明るく冴える
   初期、与三左衛門祐定写し
    先反り付けた寸の短い打ち刀の姿で、複式互の目
   天和頃、一文字写し
    どこかに複式風の刃を交える

【江戸石堂】
   光平「東の雄」、長幸「西の雄」
   帽子、浅く湾れ丸く返る、または、直ぐに丸く返る
   焼きの高低、焼刃の大小、リズム変化がある

【紀州石堂】
   備中守康広「長幸の師匠である河内守康永の師匠」
   腰元に焼出しが見られる
   焼刃がこずみ、匂い口が締り、焼刃に出入りがない
   返りを深く焼き下げたり、棟焼き掛かる

【福岡石堂】
   左近是一(江戸石堂)の流れを汲む
   板目が流れ、柾鍛えに近い
   焼刃が高く、所々鎬に掛かり、逆かかる刃随所に見られる
   「いかの頭」と云われる独特な刃を交える
   守次、比較的反りが高い(寛文新刀期で)
天位 95点 1名
地位 95点 1名
人位 90点 1名
次点 85点 1名

平成13年11月10日研究会

鑑定刀 刀工名 鑑定・鑑賞見所
一号刀 短刀 備州長船元重
    正和五年六月日

  
二号刀 刀 国広
姿、身幅広く、元先の幅差付かず、反り浅く付き、切先大きく伸びる
 重ね薄く、二筋樋を掻き通す(上身研ぎ減っていない)
 全国大会出品 特重 国広二字銘 刀には研ぎ減ったように彫った龍の彫物あり、
 第44回重刀国路にもあり本科を忠実に写した結果、重ねが薄くなる

地鉄、板目に杢を交え、総じて肌立つ
 所謂「ザングリ」としたと形容する堀川肌の典型
 南北朝期の相州上工に比して、肌ややガサつき、地景の働きなく、地沸の付き方も
 弱い

焼刃、穏やかな焼きの低い湾れをメインに、
 互の目、小湾れ、尖りごころの刃を交え、物打ちの焼きが高い
 相州上工(志津・貞宗)をねらった焼刃であるが、本科に比して、匂い口沈みごころ
 となる(鑑定見所)

 区際を焼き込み、区際から水影がでる手癖があるが、本作に水影はない
 国広古参の弟子(国安・正弘・広実)に見られる

三号刀 太刀 備州長船次行 次行の作品は非常に少なく、小反り(秀光・師光・家守)に見られれば当り

姿、身幅やや広め、元先それほど幅差付かず、切先伸びごころ
 腰元の踏ん張りが完全に抜け、摺り上がっているが、反りが深く付いて、先にいっても
 伏せることがない 
 身幅に比して重ねが非常に厚い
 南北朝後期の特徴的な姿で、小反り一類に見られる
 普段は尋常な身幅あるいは細身でその割にゴリッと重ねが厚く、切先も中切先となる

地鉄、板目に杢、流れた肌を交え、全体に
 肌立ち、地沸が付き、地景風の黒い鉄が入り、映りが鮮明に立つ
 全体に整わない肌合いを示す
 地景風の黒い鉄が腰元の刃中に入り、金筋風の働きとなる

焼刃、非常に多くの種類の刃、互の目、角ばる
 互の目、小湾れ、尖りごころの刃、丁子風の刃がごちゃまぜに交じり、全体に小模様
 になる

帽子、兼光一門の流れを引き、乱れ込んで先が尖る

銘振り、身幅に比して鎬幅が非常に狭くなり、その中に納めるように小振りの細鏨に切る

【小反と近似】
 政光、活躍時期が小反りと同一

【惜しい見方】
 盛景、板目に杢、肌立つ、ぼやけた肌

四号刀 刀 出羽大掾藤原国路 姿、身幅広く、元先に幅差付かず、切先伸び、重ね厚い
 一見、慶長新刀然とした姿となるが、2号刀より身幅狭く、切先伸びず、姿優しく、
 反りが付く(正保・明暦頃か)

地鉄、板目に杢を交え、やや肌立つ(流れた肌見えず)

焼刃、色々な刃、互の目、矢筈風の刃、尖り刃、小湾れを交え、所謂関物、美濃形式の
 強い出来
 焼刃の上に、二重刃状が出ている
 細かい観点であるが、焼刃が逆掛かるところが手癖
 普段、湾れに互の目を交え、焼き高く華やかな、沸付き金筋しきりに掛かる相州伝の
 作域が多い
 短刀には保昌をねらった総柾鍛えのものもあり、備前伝以外を上手くこなす

帽子、浅く湾れ、尖った三品帽子を示し、一見、正俊や金道の三品一派を思わせる

銘振り、慶長十三年九月には国路の路を「道」と切り、慶安五年には来金道と同様に
 「来」を冠し、国広没後に「路」を「道」に戻すなど、三品一派と関係が深い刀工と考え
 られている
 京都八坂神社 重文 三本組みの太刀と銘振りが同じで、慶安五年に銘振りが
 変わったとされる(弟子の代銘か)

【三品派の地鉄】
 同様に板目が肌立つが、流れて柾掛かる肌が交じる

【金道との比較】
 丹波守吉道の簾刃の先駆けとなる二重刃状の飛び焼きがあり、本作にもあり首肯
 できるが、角張る互の目が交じり、乱れ全体が角張る
 全体に均一に沸が付く
 典型的な三品帽子が少なく、掃きかけ、沸がむら付いて沸崩れたものが多い

【正俊との比較】
 本作と近接し、多種類の刃を交え、沸がむら付き、典型的な三品帽子となる
 焼刃の焼頭と焼頭がくっついて、焼きが玉状に抜ける (これが見られず)
 焼刃の上に出た二重刃状の飛び焼きがでるものは少ない

【吉道との比較】
 元に直ぐの焼き出しがあり、簾が金道より顕著であり、刃中に砂流ししきりに掛かる
五号刀 脇指 長曽祢興里入道虎徹 姿、身幅広く、元先に幅差がついて、反りが浅く、
 中切先となる 所謂「寛文新刀」期の姿
 鎬造りの脇差の場合、切先が大きく伸び、重ねが厚いものあり

地鉄、板目良く詰んだ精良なかね、地沸微塵に付き、地景が細かに入る、所謂「虎徹の
 冴えたかね」を示す
 ハバキにかくれているが、指裏腰元にテコかね状の少し荒れた肌
 添銘「真鍛作」があるもの、なまず肌様のドロッとしたかね交じる

焼刃、焼きの出入り少なく、互の目、小互の目、
 数珠刃調の作風
 元短く直ぐに焼き出すが、ハバキにかくれる

帽子、指表、横手から立ち上がり、指裏、横手を焼き込む虎徹帽子

銘振り、「長」の字を目釘穴にかける寛文五年以降の作
 匂い口締りごころ、太い足見られず、作風から、「ハコトラ」になって間もない時期の
 作品

【ハネトラ時代】
 庵棟のおろし急
 沸がバラバラむら付く
 小さい互の目、大きい互の目が連れ瓢箪刃となり高低さ付く
 互の目、湾れ、尖り刃交え、之定を範とした
 焼き出し、直線的で真っ直ぐ長い

【ハコトラ時代】
 棟のおろし緩い
 沸が全体的に均一に付く
 焼きの出入りがなく、互の目、小互の目が連れる
 江、来国次をねらった
 焼き出し短い

【入札;南紀重国】
 良く考えられた入札
  「ハコトラ」時代の作風は南紀重国を参酌
 姿は慶長新刀期のもので相違

【入札;法城寺正弘】
 互の目がもっと小模様、互の目足がしきりに入り、帽子の横手は焼き込まず

平成13年6月9日研究会

鑑定刀 刀工名 鑑定・鑑賞見所
一号刀 刀 村正
二号刀 刀 播磨守藤原輝広
三号刀 太刀 金象嵌銘 助真  芸州浅野家伝来

姿、元幅に対して、先幅がそれ程落ちていない

切先、猪首風(鎌倉中期)

地を透かして見ると、鮮明な乱れ映りうねるような黒い影があり、力強い映り方
 相州鍛冶の創始者の一人と言われる所以

刃文の構成、丁子主調、尖り刃、所々交じる

【吉房】袋丁子、括れず角がかる丁子

【則房】非常に丁子主調で華やかだが、小模様、逆がかる

【助真】目釘穴上、棟寄りに細鏨シャープな銘の場合、華やか出来が多い
    目釘穴下、中に寄る太鏨な銘の場合、姿尋常、優しく、小模様な出来が多い

四号刀 刀 藤原広実
非常に珍しい

世に在銘4口が知れ、これ以外の3口は国広宛らの出来で古作に紛れる

反り浅く、切先伸びる
 先身幅あり、元に踏ん張りがあることから、生ぶの刀

地鉄、板目良く詰むが、肌模様意外にもポツポツと肌立つ、所謂「ザングリ」とした肌合

匂い口、むらになった深い細いところあり

国広より国路に近い作風

「実」の字が日州時代の国広一派の通字であり、 「藤原広」が国広の銘に酷似している
 ことより、以前は、国広の前銘、初期銘と言われていたが、現在では、師匠の代作代銘
 につとめた古参鍛冶
五号刀 太刀 額銘 正恒  
太刀銘の位置に額銘があり、古備前の作

反り浅め、地鉄、小板目詰み精緻、精良

地班映り、鎬線を超えるか近いところまで暗体が明瞭に掛かる(鎌倉中期以降には
 見られない)

刃文、上半、直刃を基調とした互の目、小丁子、下半は蛙子丁子

静嘉堂文庫所蔵の重文「友成」嘉禎三年紀の作は鎌倉中期に掛かる作であること
 から、断続的な名跡継承があったことが同様に想像できる

銘【りっしんべん】
 「十」文字の場合 古調、時代溯る
 「リ」文字の場合 時代が下がる

【正恒】二字銘以外まず無い
【友成】三字、五字、六字がほとんどで二字銘はまず見当らない
天位 75点 1名
地・人位 70点 2名