鑑定刀 |
刀工名 |
鑑定・鑑賞見所 |
一号刀 |
短刀 備州長船元重
正和五年六月日
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二号刀 |
刀 国広
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姿、身幅広く、元先の幅差付かず、反り浅く付き、切先大きく伸びる
重ね薄く、二筋樋を掻き通す(上身研ぎ減っていない)
全国大会出品 特重 国広二字銘 刀には研ぎ減ったように彫った龍の彫物あり、
第44回重刀国路にもあり本科を忠実に写した結果、重ねが薄くなる
地鉄、板目に杢を交え、総じて肌立つ
所謂「ザングリ」としたと形容する堀川肌の典型
南北朝期の相州上工に比して、肌ややガサつき、地景の働きなく、地沸の付き方も
弱い
焼刃、穏やかな焼きの低い湾れをメインに、
互の目、小湾れ、尖りごころの刃を交え、物打ちの焼きが高い
相州上工(志津・貞宗)をねらった焼刃であるが、本科に比して、匂い口沈みごころ
となる(鑑定見所)
区際を焼き込み、区際から水影がでる手癖があるが、本作に水影はない
国広古参の弟子(国安・正弘・広実)に見られる
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三号刀 |
太刀 備州長船次行 |
次行の作品は非常に少なく、小反り(秀光・師光・家守)に見られれば当り
姿、身幅やや広め、元先それほど幅差付かず、切先伸びごころ
腰元の踏ん張りが完全に抜け、摺り上がっているが、反りが深く付いて、先にいっても
伏せることがない
身幅に比して重ねが非常に厚い
南北朝後期の特徴的な姿で、小反り一類に見られる
普段は尋常な身幅あるいは細身でその割にゴリッと重ねが厚く、切先も中切先となる
地鉄、板目に杢、流れた肌を交え、全体に
肌立ち、地沸が付き、地景風の黒い鉄が入り、映りが鮮明に立つ
全体に整わない肌合いを示す
地景風の黒い鉄が腰元の刃中に入り、金筋風の働きとなる
焼刃、非常に多くの種類の刃、互の目、角ばる
互の目、小湾れ、尖りごころの刃、丁子風の刃がごちゃまぜに交じり、全体に小模様
になる
帽子、兼光一門の流れを引き、乱れ込んで先が尖る
銘振り、身幅に比して鎬幅が非常に狭くなり、その中に納めるように小振りの細鏨に切る
【小反と近似】
政光、活躍時期が小反りと同一
【惜しい見方】
盛景、板目に杢、肌立つ、ぼやけた肌
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四号刀 |
刀 出羽大掾藤原国路 |
姿、身幅広く、元先に幅差付かず、切先伸び、重ね厚い
一見、慶長新刀然とした姿となるが、2号刀より身幅狭く、切先伸びず、姿優しく、
反りが付く(正保・明暦頃か)
地鉄、板目に杢を交え、やや肌立つ(流れた肌見えず)
焼刃、色々な刃、互の目、矢筈風の刃、尖り刃、小湾れを交え、所謂関物、美濃形式の
強い出来
焼刃の上に、二重刃状が出ている
細かい観点であるが、焼刃が逆掛かるところが手癖
普段、湾れに互の目を交え、焼き高く華やかな、沸付き金筋しきりに掛かる相州伝の
作域が多い
短刀には保昌をねらった総柾鍛えのものもあり、備前伝以外を上手くこなす
帽子、浅く湾れ、尖った三品帽子を示し、一見、正俊や金道の三品一派を思わせる
銘振り、慶長十三年九月には国路の路を「道」と切り、慶安五年には来金道と同様に
「来」を冠し、国広没後に「路」を「道」に戻すなど、三品一派と関係が深い刀工と考え
られている
京都八坂神社 重文 三本組みの太刀と銘振りが同じで、慶安五年に銘振りが
変わったとされる(弟子の代銘か)
【三品派の地鉄】
同様に板目が肌立つが、流れて柾掛かる肌が交じる
【金道との比較】
丹波守吉道の簾刃の先駆けとなる二重刃状の飛び焼きがあり、本作にもあり首肯
できるが、角張る互の目が交じり、乱れ全体が角張る
全体に均一に沸が付く
典型的な三品帽子が少なく、掃きかけ、沸がむら付いて沸崩れたものが多い
【正俊との比較】
本作と近接し、多種類の刃を交え、沸がむら付き、典型的な三品帽子となる
焼刃の焼頭と焼頭がくっついて、焼きが玉状に抜ける (これが見られず)
焼刃の上に出た二重刃状の飛び焼きがでるものは少ない
【吉道との比較】
元に直ぐの焼き出しがあり、簾が金道より顕著であり、刃中に砂流ししきりに掛かる
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五号刀 |
脇指 長曽祢興里入道虎徹 |
姿、身幅広く、元先に幅差がついて、反りが浅く、
中切先となる 所謂「寛文新刀」期の姿
鎬造りの脇差の場合、切先が大きく伸び、重ねが厚いものあり
地鉄、板目良く詰んだ精良なかね、地沸微塵に付き、地景が細かに入る、所謂「虎徹の
冴えたかね」を示す
ハバキにかくれているが、指裏腰元にテコかね状の少し荒れた肌
添銘「真鍛作」があるもの、なまず肌様のドロッとしたかね交じる
焼刃、焼きの出入り少なく、互の目、小互の目、
数珠刃調の作風
元短く直ぐに焼き出すが、ハバキにかくれる
帽子、指表、横手から立ち上がり、指裏、横手を焼き込む虎徹帽子
銘振り、「長」の字を目釘穴にかける寛文五年以降の作
匂い口締りごころ、太い足見られず、作風から、「ハコトラ」になって間もない時期の
作品
【ハネトラ時代】
庵棟のおろし急
沸がバラバラむら付く
小さい互の目、大きい互の目が連れ瓢箪刃となり高低さ付く
互の目、湾れ、尖り刃交え、之定を範とした
焼き出し、直線的で真っ直ぐ長い
【ハコトラ時代】
棟のおろし緩い
沸が全体的に均一に付く
焼きの出入りがなく、互の目、小互の目が連れる
江、来国次をねらった
焼き出し短い
【入札;南紀重国】
良く考えられた入札
「ハコトラ」時代の作風は南紀重国を参酌
姿は慶長新刀期のもので相違
【入札;法城寺正弘】
互の目がもっと小模様、互の目足がしきりに入り、帽子の横手は焼き込まず
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