「拵(こしらえ)の魅力」
3 滝山東照宮奉納太刀の拵
滝山東照宮(たきさん とうしょうぐう)(滝町山籠)は
徳川3代将軍家光の建立した東照宮である。
正保(しょうほう)元年(1644)10月、大樹寺(だいじゅじ)
域内に東照宮造営を命じたが、滝山寺本堂隣接地に造営地が
変更された。
正保3年8月造営工事は完了し、9月17日に正遷宮(しょうせんぐう)が
行われた。その際に将軍家光の代参(だいさん)として寺社奉行
(じしゃぶぎょう)の松平出雲守勝隆(まつだいら いずものかみ
かつたか)、世子(せいし)家綱の代参として高家品川内膳正
(こうけ しながわ ないぜんのしょう たかゆき)高如が参列し、
それぞれ太刀「長光」(刃長81.3cm/反2.4cm)と太刀「正恒」
(刃長78.6cm/反3.3cm)が奉納された。
これら糸巻太刀拵はその太刀とともに納められたもので、長光には
桐紋、正恒には葵紋が施されている。