当支部会員参加による行事日程

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 古式日本刀鍛錬 一般公開
 刀匠、研師、柄巻師、鞘師、白銀師の実演
 1月2日、10月は関市「刃物祭り」開催日
 3月、4月、6月、7月、9月、11月は第1日曜日

平成18年度「支部活動」日程

支部活動 期   日
 (1)第1回研究会・支部総会  平成18年6月10日(土)
 (2)第2回研究会  平成18年7月22日(土)
 (3)第3回研究会  平成18年9月24日(日)
 (4)第4回研究会  平成18年11月19日(日)
 (5)第5回研究会  平成19年1月28日(日)
 (6)支部創設50周年記念会
 平成19年3月21日(水)


平成19年3月21日 支部創設50周年記念会

鑑定刀 刀工名 鑑定・鑑賞見所
一号刀 短刀 相州住康春作
小田原相州、彫物、上手い
 腰元に詰まり、室町時代を示す

康春、美濃風がある

本間師、日本古刀史にて、次の2点を指摘
  美濃伝の作風を表したものがある
  短刀に気が利いたものがある
二号刀 刀   坂倉言之進照包
    延宝九年八月日
言之進の傑作、(目福)

濤瀾乱れ、穏やか、矢筈風
 助広に比して、調子なだらか

横手下、互の目、三つ四つ連れる
 本作、五つ六つ

匂い口、柔らかく、深く、明るく、地刃、冴える
三号刀 太刀 長船兼光
鎌倉最末期、長船物

尋常な太刀姿

小模様な互の目、小さな丁子、穏やかに焼く
四号刀 短刀 陸奥守大道作
    天正四年七月吉日
三品一派の基を築く
 堀川国広との合作刀、銘を表に切り、先輩に当る

本来「おおみち」と読むが、「だいどう」と呼び習わす

刃紋、揺ったり、大らかな湾れ刃
 帽子、地蔵ごころ

地鉄、冴える
五号刀 短刀 来国次
大名道具、短刀の名品、(目福)
 無冠、特重は一発合格、「重美ですか」と聞かれる

姿、良く、品格ある鎌倉末期の短刀姿
 重ねあり、減っておらず、内反り付く

鍛え、地鉄良く、大方詰んで、地肌、冴える
 上半に荒れた肌、所謂、来肌
 沸映り、棟に寄り強く出る、所謂、来映り

小さな互の目、小さな湾れ、一寸直刃
 小沸付き、匂い口明るく、冴えて、位高い
 帽子、焼き詰め風、返りが浅い

国光に比して、刃幅広く、沸が強い

鑑賞刀 刀工名 鑑賞見所
一号刀 太刀 安綱
長府毛利家伝来
二号刀 脇指 無銘 正宗
向井将監正宗 特別重要刀剣
三号刀 刀   無銘 長光
紀州徳川家伝来 特別重要刀剣
四号刀 短刀 備州長船兼光
    延文五年十二月日
特別重要刀剣
五号刀 太刀 俊次 特別重要刀剣
六号刀 短刀 金重作 重要刀剣
七号刀 太刀 来国(国次) 重要刀剣
八号刀 短刀 光世 重要刀剣
九号刀 太刀 備前国長船住守重
    正和五年三月日
重要刀剣
十号刀 短刀 左 特別重要刀剣


平成19年1月28日研究会

鑑定刀 刀工名 鑑定・鑑賞見所
一号刀 太刀 備州長船則光
    寛正伍年八月日
「寛正則光」、則光では古いもの

彫り、表、八幡大菩薩 梵字、
 裏、棒樋丸止め、添樋

刃紋、備前の丁子乱れ、映り立つ
二号刀 刀   兼元
二代、兼元、銘良し

刃紋、直刃、匂い口、明るく、元に節を
 一つ焼く、帽子、上手

地鉄、良く、上の上半分に白け映り立つ

兼定に直刃あるが、兼元の直刃は珍しい
三号刀 刀   相模守藤原政常
体配、肉置き、良く、地鉄、小杢目、大変精良

政常の刀、大変珍しい

薫山師、鞘書き、「この工刀少なし」
四号刀 脇指 濃州関住人兼伴作
    文正二年丁亥八月日
少し刷り上るも、姿、良く、平肉付く

地鉄、精良、柾掛かり、白け映り立つ

刃紋、匂い出来、小締まって明るく、刃中に
 働きある、小乱れを交える見事な細直刃

文正年紀、兼定と同時代

刀工「兼伴」は珍しく、鑑定刀では難しいが、
 兼定には入る。 「善定兼吉」は良い札
五号刀 脇指 陸奥守大道作
    天正二年八月日 信
菖蒲造り(鵜の首造り)の小脇指

刃紋、丁子乱れ、飛び焼きあり

年紀下に「信」の一字は自信作か

刀工「兼常」の末

鑑賞刀 刀工名 鑑賞見所
一号刀 短刀 兼延
姿、平造り、身幅やや広く、浅く反る

鍛え、板目に杢交え地沸付き美しく肌立つ

刃紋、小沸出来の互の目、表裏揃い、足よく入り、砂流し頻りにかかる
 帽子、湾れて小丸に深く返る

健全で垢抜けた作風を見せ、同工の白眉作
二号刀 短刀

美濃国関住人く王五兼氏造之
 但馬国往人賀陽嘉介
天文十五年二月吉日
姿、平造り、重ねやや厚く、ふくら枯れて鋭い

鍛え、小杢目地沸微塵につき、精良に冴えて明瞭な映り立つ

刃紋、匂い口締まった直刃、表裏に揃った尖り互の目を一つ腰刃に焼く
 帽子、焼き深く、直ぐに先小丸となり短く返る
三号刀 短刀 陸奥守大道作
    元亀二年八月吉日
姿、平造り、身幅尋常

鍛え、大板目肌立ってゆったりと流れ、太い地景入る

刃紋、小沸出来の互の目主調、表裏よく揃い元に腰刃風の乱れ、砂流しよく掛かる
 帽子、一段と掃き掛け互の目風に一つ高く焼き、先火炎状となりやや深く返る

大道、千子風の作で、元亀二年は陸奥守受領名。最古年紀か


平成18年9月24日研究会

鑑定刀 刀工名 鑑定・鑑賞見所
一号刀 刀  備前国住長船勝光作
    天文二年八月吉日
次郎左衛門尉か

姿、身幅、重ね、切先普通
 先反り強く長さ短い、室町中期の片手打ちの姿

地鉄、地沸あまり付かず、ネットリとした、良く鍛え
 られた小杢鍛え

刃紋、間隔の揃った互の目
 乱れの頭の沸、地に煙込み尖り互の目、
 乱れの頭が分かれ小さい複式互の目を呈する

帽子、乱れ込み先掃き掛け、指表大丸、
 指裏地蔵風に浅く返る

二号刀 脇指

尾崎長門守藤原助隆
寛政十二年八月長田氏応需造之
姿、庵棟高く、重ね身幅普通、反り浅く切先延びごころ
 一見寛文新刀に見える

地鉄、地沸よく付き、良く鍛えられた無地に近く綺麗

刃紋、沸出来、濤瀾風の大互の目乱れ
 乱れの谷を直刃でつなぐ美濃系の焼刃
 一見、坂倉言之進照包を見るような焼刃

帽子、直刃、先小丸に横手下まで焼き下げ固く止める

三号刀 脇指 肥後守秦光代
    以地鉄銷作之
姿、身幅広く重ね厚く、浅い先反りに大切先。手持ちが重くガッシリした造り込み

地鉄、地沸あまりつかず、良く鍛えられて綺麗

刃紋、沸出来の大互の目乱れ、刃縁沸深く明るく冴える

帽子、乱れ込み三品帽子となり、先中丸に軽く掃き掛け上品に返る

四号刀 脇指 備州長船則光
    永享九年二月日
姿、平造り、身幅、重ね尋常で反り浅い。応永の雰囲気を残す

地鉄、地沸よく付き、十分に鍛えられた備前独特の見事な板目鍛え

刃紋、小沸出来、三つに湾れる
 刃縁明るく冴え、湾れの頭小さく互の目を焼き沸足入る
 乱れの頭をつなぐ鮮明な棒映り立つ
 帽子、湾れ込み先尖って軽く掃き掛け短く返る

五号刀 脇指 綱広 姿、平造り、三つ棟、身幅広め、重ね普通、寸やや長め先反り強く付く新古境期のもの

地鉄、大肌鍛え、一面に地景盛んに掛り杢目状の肌が現れる所謂相州鍛え

刃紋、鍛え肌に絡んで刃縁がハッキリしない沸出来の大乱れ、砂流し・金線頻りと
 掛かる迫力のある焼刃棟を長く互の目で焼き下げ皆焼刃となる
 帽子、乱れ込み中丸に長く焼き下げ棟焼きにつながる。先盛んに掃き掛る

 


平成18年7月22日研究会

鑑定刀 刀工名 鑑定・鑑賞見所
一号刀

肥前国住近江大掾藤原忠広
姿、身幅、先幅頃合、中切先、中間反りでやや反り深め

地鉄、小板目良く詰み小糠肌

刃紋、中直刃、刃中所々沸がこぼれ葉となり、地刃明るく冴える
 帽子、直刃、先中丸に返り、横手まで焼き下げる

二号刀 刀  伯耆守藤原信高 姿、身幅広く、重ね厚く、中切先、やや先反り気味の手持ちしっかりした打刀姿

地鉄、ややざんぐりとし、縦に流れる地景が底に沈み、地沸よく付き、良く鍛えられて
 綺麗

刃紋、軽く湾れた中直刃、指表物打ち辺りに小さな沸足入る
 帽子、直刃、軽く先掃きかけ、小丸に横手まで返る

彫物、表裏に角止の刀樋を彫る

三号刀

兼延
澤井長慎佩刀(象嵌溝)
安而不忘危存而不忘亡(象嵌溝)
姿、諸手打ちに変化する過渡期(永正から大永頃)の
 打刀姿

地鉄、よく練れた、潤いのある、板目を交えた杢目肌
 やや流れる程度で、白気心も見られない

刃紋、小沸出来の中直刃、物打ち辺りにほつれ心、横手下まで軽く棟を焼く
 帽子、直刃で中丸に返る

四号刀 刀  則光 五郎左衛門尉か

姿、重ね厚め、身幅広め、中切先で堂々として、長さの割りに手持ちが重い、片手打ち
 の打刀姿

地鉄、無地肌にも見える見事に鍛錬され、細かく明るい地沸付き、焼刃に沿って淡い
 映り立つ

刃紋、小乱れの中直刃、所々に沸足入り、物打ち辺りに沸で二重刃風となり、
 刃中、刃縁、明るく冴える
五号刀 短刀 兼本 姿、重ね尋常な内反り、ふくら枯れ心強くなく、小振りの短刀姿

地鉄、縦に流れた地景盛んに現れた大板目鍛え、白気殆ど見られない上手な鍛え

刃紋、沸出来の角張った互の目乱れ
 帽子、乱れ込み地蔵風、軽く先掃き掛け小丸に長く焼き下げる

 


平成18年6月10日研究会

鑑定刀 刀工名 鑑定・鑑賞見所
一号刀

(金象嵌銘)
尻懸則長磨上本阿(花押)
特別重要刀剣、第一回、第一号
 平肉豊かな健全な地景を賞玩できる良く出来た作

本阿弥十代光室、尻懸則長極め

姿、大磨上、はばき元、踏ん張り少なめ、元来、尋常より広めの身幅、元先の幅さまで
 開かず、中切先に結ぶ

 元はと云えば、腰元で反り、先にも反り加わった鎌倉後期頃の形

造込み、鎬高く、大和伝系と見当が付き、鎬幅も広いため大和本国に

地鉄、小板目良く詰み、部分的に流れ肌交じり、よく練れて肌色明るい、精良な鍛え

刃紋、直刃調、刃縁ほつれ、喰い違い等交え、明るい刃に沸付き、金筋、砂流し働く

【尻懸格言】
 酷評すれば、大和五派では一歩位を譲る流派
 古来、「古宇多、尻懸」とも云われる

二号刀 短刀 来国光 姿、尋常な身幅、大きく寸が伸びて、九寸四分、僅かに内反りが加わる、鎌倉後期頃
 の短刀の形

地鉄、小板目良く詰んで、肌色明るく、美しく地沸付き、沸映り鮮明に立ち、来肌も所々
 に見えるが、如何にも京物、綺麗な鍛え

刃紋、湾れ調、互の目を交え、刃沸強く、明るく冴える
 帽子、乱れ込んで小さく尖る、典型的

【来国俊】
 文保年紀の重美短刀、湾れ調、帽子尖ったものだが、殆どが直刃で乱れ刃は殆ど
 無し
 更に、もう少し小振りで刃沸が穏やかな傾向

三号刀 太刀 永和二年六月
    備州長船師光
姿、南北朝最盛期と末期の中間的な格好

地鉄、板目に杢目、部分的に流れ肌、相対に
 肌立つ
 
地景、頻りに交じり、地斑状の鉄交じり、
  映り、光弱く現れる

刃紋、浅い小湾れ、小互の目、小丁子、尖り刃
 交じり、数種類の刃紋が交じる
 帽子、乱れ込んで尖る

 複雑且つ小模様に乱れ且つこずむ

 身幅に比べ、刃幅は低い

四号刀 刀  (紋)主水正藤原正清  姿、体配に特色あり、身幅広く、元先開かず、中切先、伸びごころ、平肉豊か、手持ち
 がズッシリ重く、豪壮な格好

地鉄、部分的に大肌あるが、小板目詰み、地沸付く鍛え

刃紋、湾れ調、互の目を交え、相州伝系、所々に薩摩特有の尖り刃を交えて、荒沸が
 目立ち、刃中に芋蔓が現れる

【正清特徴】
 正良、元平に比べて、刃紋小模様、刃境に変化

 新刀波平に教えを受け、鎬巾が広く、鎬が高い造り込み

 鍛え、板目滓立ち、沸荒い所、細かい所、変化有り

 刃紋、直刃調、浅く湾れ、間遠に互の目、
  帽子、返りに変化、刃境に変化有り覇気がある

 焼き頭、断続的に湯走り掛り、互の目の焼き頭、二重刃、三重刃状が現れる

五号刀 刀  長幸於攝津国作之 姿、尋常な身幅、元先の身幅開き、中切先
 寛文新刀風、反り格好高目

地鉄、板目詰み、明確な映り立ち、石堂系と察せられる

刃紋、二尺一寸前後、寸詰まり、先反る室町後期の打刀に造り込み、
 複式互の目を焼く

丁子に尖り刃、蛙子風の刃を交え、丁子に出入り有り

末備前祐定写し(初期作)の為か、華やかな丁子を焼いても、部分的に腰の開いた
 乱れを交える

【石堂特長】
 長幸、丁子に焼きの高低を見せず、房と房が元から先まで競り合うものがある
 匂い口締り、すすどしい感じに乱れ、尖った帽子となる

 光平・常光、尖り刃主体となっても、頭の丸い蛙子、袋丁子となる
  帽子、直ぐに小丸、浅くの湾れ込んで小さ目に小丸に返る



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