当支部会員参加による行事日程
古式日本刀鍛錬 一般公開 刀匠、研師、柄巻師、鞘師、白銀師の実演 |
1月2日、10月は関市「刃物祭り」開催日 3月、4月、6月、7月、9月、11月は第1日曜日 |
平成20年度「支部活動」日程
支部活動 | 期 日 |
(1)第1回研究会・支部総会 | 平成20年5月18日(日) |
(2)第2回研究会 | 平成20年7月13日(日) |
(3)第3回研究会 | 平成20年8月31日(日) |
(4)第4回研究会 | 平成20年10月26日(日) |
(5)第5回研究会 | 平成20年11月30日(日) |
(6)第6回研究会・新年懇親会 | 平成21年1月25日(日) |
(7)第7回研究会 |
平成21年3月22日(日) |
鑑定刀 | 刀工名 | 鑑定・鑑賞見所 |
一号刀 | 脇指 筑州信国源正包 (一葉葵紋) 恭奉 台命至東武正宗写後鍛之 于時享保丁未春正月 |
黒田藩お抱え工、筑前信国重包の晩年銘 重包、主水正正清や一平安代とともに、将軍吉宗に召されて浜御殿で鍛刀し、 技量を認められて、一葉葵紋を中心に切ることを許されたと云う 銘文より、黒田藩の命により、正宗を写した作か 寸法、一尺九寸九分。二尺足らずの作が多く見られ、黒田藩の流行か 地鉄、よく詰んだ柾目鍛え、金筋、砂流しが頻りに入る 刃紋、単なる丁子、互の目でもなく、渾然一体となる相州伝を写して成功した作 【筑前刀の見分け方】 細かな柾目が必ず交じる よく見ないと分からないほど手が込む |
二号刀 | 刀 肥前国佐賀住出羽守行広 | 重要刀剣 寸法、二尺四寸強、身幅も有り、堂々とした姿 中心、錆色味よく、大事にされてきた証拠 銘、長銘に太刀銘に切る 刃紋、表裏に蛙子丁子を交え、新刀石堂や大坂への入札が首肯される 常の刃紋が微塵も無く、よく出来た本工の傑作か 帽子、横手から乱れ込んで、小丸に返らず 【通常の行広】 覇気ある、派手な刃紋となる。丁子刃を三つ連れて、それを直刃で繋ぐもの、 きのこ雲を思わせる刃を直刃で繋いだものなど 【肥前刀と見抜く見所】 丁子足が刃先の三分の二で止まり、刃先まで抜けない乱れ刃の谷に沸が凝る (沸溜まり) 横手から先、直ぐに小丸に返る 【傍肥前】 本家は綺麗でまじめだが、傍肥前は覇気に人気有り 正広・行広・忠国が御三家であるが、正広は相州伝風の刃紋が多い |
三号刀 | 短刀 大和国住吉友作 文和二年八月日 |
重要刀剣 大和千手院の珍品であり、大名道具として伝来か 年紀、延文・貞治以前の年であり、本作以外に名鑑に見られず 刃紋、すごく古調で、品格が有り 中心、鑢目が桧垣であり、この時代から美濃への移住を想起させる 地鉄、よく詰み、綺麗だけでなく、映りも立つ 入札、来と美濃の二つに分かれたが、本国大和に鑑するべき見所有り 帽子の返りが異なり、来には行けない、之定等の単なる来写しにはない品の高さ |
四号刀 | 刀 (折り返し銘)兼元 | 重要刀剣 折り返し銘、丁寧な中心の細工仕上げで、元の長さ、二尺五寸以上か、時代も古い 刃紋、後世の「三本杉」と云われるような無理に拵えた作意感が見られず、見飽きない もの |
五号刀 | 刀 大隈掾藤原正弘 日州住 |
重要刀剣 国広、第一の第作者と云われる 国広の銘振りは二十数通りあるとされ、作例数多いが、正広、常寸のものは十数本 しかない。鑑定刀としては珍しく、初見と云う人多し 銘、細鏨で浅く切り、銘字が上手い 「掾」の字、「様」の下に「一」を切り、「さまじょう」と呼ぶ 同工作の内、一、二本が重要文化財に指定されている 年紀作、四本有り、刀三本、脇指、一本 年紀、全て、慶長十一年三月日 年紀作の「掾」の字、何れも違うと云う 地鉄、板目に杢交じる、堀川肌「ザングリ」と云うが、本刀には、潤いや深みがある 刃紋、焼きが低く、物打ち辺りで刃幅が広くなる 国広、相州伝の刃取りとなり、掟通り 姿、反り少なく、元先の幅差少なく、中切先とは云えずに伸びたものとなる |
鑑定刀 | 刀工名 | 鑑定・鑑賞見所 |
一号刀 | 短刀 備前国住長船与三左衛門尉祐定 享禄三年二月日 |
両刃の短刀、「槍」を想起させるような鋭利な姿、格好に魅力あり 両刃造り、時代、室町後期、戦国時代に特定される造り込みで、末備前と関の刀工が 上手 地刃、強く、冴えている 【入札鑑定】 備前とみて、ここまで出来ていれば、位取りを押えて与左衛門祐定に |
二号刀 | 太刀 備州長船師光 永和二年六月 |
永和年紀、延文貞治よりもっと後で、応永が近づく時代 姿、元先も広く、帽子も乱れ込み、延文貞治期の兼光一門に似るが、 刃紋が小模様で、切先が大切先でなく、中切先が伸びる程度 【入札鑑定】 作風、応永備前への過渡期で、小反りは良い入札 |
三号刀 | 短刀 無銘 則重 | 無銘なるも則重に間違いなく、目を瞑っても則重で、一番有名な国宝「号 日本一則重」 に似る 姿、切先が枯れ、先が俯く「筍反り」と云う、則重にある一つの様式 地刃、共に沸えて、足入る働き有る、沸の妙味 刃紋、湾れに丁子刃入る、独特の丁子風の小乱れ 【入札鑑定】 則重:これに見て貰えれば有り難い 加州真景:則重に次いで良い入札 正宗・新藤五:位を押えた入札。但し、実際にはこのような作は無し |
四号刀 | 太刀 嘉元二二年五月月日 中原国宗 |
佐竹家伝来、有名な名刀 手持ち重く感じられ、健全で保存状態が良い、大名道具 古説では、「中原国宗」は三河刀工とも云われ、「中原」は三河の地名であると 鎌倉末期、嘉元年紀が一本、徳治年紀が二本、延慶年紀が一本有り、計四本が 知られる、珍しいもの。この嘉元年紀のものが出来が良いと評判 本間博士「日本古刀史」の中で「三郎国宗の系統」と云われ、紛れも無い「備前刀」で 「長船」に近い一流刀工と首肯される 長光に全く同じ作風有り、講師も二本炯眼されたと云う 【入札鑑定】 長光、景光、真長、近景及び雲類に入札が集中 鎌倉末期の備前、長船物と見ている |
五号刀 | 刀 大和守安定 (金象嵌 截断銘) |
安定、年代的には、虎徹より先輩格に当る刀工 姿、反り浅く、元先の巾差がある、寛文新刀体配で、所謂「棒反」とも 刃紋、湾れに互の目を交える。湾れが箱掛かる特徴から、安定へ 虎徹に作風が似るが、虎徹が技術的は上で、強く冴える。虎徹であれば、足入る、 玉垣刃となる 【入札鑑定】 一本入札の場合、虎徹でも点を |
鑑定刀 | 刀工名 | 鑑定・鑑賞見所 |
一号刀 | 刀 (一葉葵紋) 玉置主馬首藤原朝臣一平安代 享保九年於薩州給黎郡作之 |
姿、身幅広く、重ね厚い、平肉豊かに付いて、手持ちズッシリと豪壮 地鉄、小板目肌詰み、地沸よく付き、細かな地景入り、湯走り状態を呈するところ 見られる 刃紋、直刃調に小互の目、小湾れ交じる 帽子、直刃、先軽く掃き掛け、中丸に浅く返る |
二号刀 | 刀 国安 | 堀川国安 姿、身幅こころもち広く、元先の幅差やや付く 地鉄、板目鍛えを基調に杢交える、地沸よく付き、細かな地景入る、所謂「ザングリ」 と云われる肌 刃紋、直ぐ調子に焼き出し、浅く大きく湾れる焼刃を基調にした小乱れの互の目 帽子、直刃、細かく乱れ、砂流し掛かる 彫物、指表、倶利伽羅龍、指裏、降り倶利伽羅龍 |
三号刀 | 脇指 駿河守盛道 慶長七年二月三日 |
関七流「室屋派(大道一派)」の刀工 姿、元先の幅差殆ど付かず、腰反りに強い先反り加わる、大切先 地鉄、大板目、軽く流れる、ネットリとして黒味を帯びる 刃紋、刃幅全体に低く、互の目乱れを基調に尖り刃を交える 帽子、乱れ込み、激しく沸、砂流し盛んに掛かる |
四号刀 | 脇指 相州住広正 文安五年二月日 |
広正四代 姿、平造り、中間に反り付き、長寸 地鉄、地沸よく付き、地景盛んに現れる、よく鍛えられて見事 刃紋、出入りの激しい互の目乱れ、大房丁子、矢筈刃など、変化の激しい焼刃で、 物打ち上は皆焼 帽子、盛んに乱れる 彫物、指表、草の倶利伽羅に火炎、梵字、 指裏、刀樋を掻き流し、樋中に独鈷剣に梵字 |
五号刀 | 短刀 国光 |
新藤五国光 |
鑑賞刀 | 刀 (一葉葵紋) 宮原主水正藤原朝臣正清 享保九年二月 |
姿、身幅広く、重ね厚い、中切先延びごころ、長寸 地鉄、地沸よく付き、柾鍛え 刃紋、上に行くに従って大きく乱れる、大互の目乱れ 帽子、大きく乱れ込み、砂流し・金筋激しく掛かる |
鑑定刀 | 刀工名 | 鑑定・鑑賞見所 |
一号刀 | 太刀 来国俊 元亨元年十二月日 |
重要美術品、上杉家伝来 銘、刀匠銘と年紀を書き下しており、古刀期には来派・青江派にしばしば見られる 姿、はばき元に十分な踏ん張りがあり、生ぶなもの 尋常な身幅、元来、先にも反り加わり、元先の幅差ひらき、中切先に結ぶ 柄の先端から全体、綺麗な輪反り付く、来一派の姿の見所 鍛え、小板目よく詰み、鉄色明るく、美しく地沸が付いた、京物らしい精美なもの 部分的に大肌、青黒い、所謂「来肌」が出る 刃紋、珍しい、小互の目の交じった乱れ刃 【来の沸映り】 短刀は鮮明に、太刀は淡く出る 【参 照】 「刀剣美術」誌 第318号 |
二号刀 | 刀 (無銘)青江 | 重要刀剣 姿、大磨上げ、無銘、踏ん張り少なめ 元来、身幅ややひろく、元先の幅差があまりひらかず、中切先が大きく伸びる 先にも反り加わる、鎌倉最末期 乃至 南北朝初頭のもの 刃紋、浅い湾れ調、出入り有る逆丁子に足入る 刃縁、明るく冴える、刃中白く冴え、金筋・砂流し等、働き、変化ある 所謂「青江の逆丁子」、青江の特徴がよく現れる 帽子、逆丁子の場合、尖る 鍛え、小板目に小杢交え、相対に細かな肌目が立つ 地鉄、青々と冴え、乱れ映り立つ |
三号刀 | 太刀 正則 応永三十□年 |
正則、出雲−道永派の刀工 道永派、備前−吉井派の刀工が室町期に移住 応永三十何年紀、比較的に年代が上がる貴重な資料 姿、磨上って、踏ん張り少なめ、尋常な身幅に元先の幅差がひらき、中切先に結ぶ、 先反りの目立つ、室町初期、応永頃の太刀 刃紋、小互の目、連れる 【道永派の作風】 道永派は吉井派とえらむことがない作風 【吉井派の作風】 小互の目が連れ、特徴有る映り立つ 南北朝期、古吉井 ; 刃沸付き、金筋・砂流し目立つ 室町期、吉井 ; 刃紋が匂い勝ち 【参 照】 「刀剣美術」誌 第622号 |
四号刀 | 脇指 大和州住人九朗三郎重国居駿河州 後於紀伊州明光山作之 (棟に)鏨物天下一池田権助義輝 元和八年戌八月吉日 羽掃為都筑 久太夫氏勝作之 |
重要刀剣 姿、身幅ひろく、重ね厚い、先に反り加わった、典型的な慶長新刀期のもの 表裏に濃厚な彫り物。「天下一」と呼称される、斯界夙に有名な南紀 鍛え、板目に流れ肌を交え、強いものとなる 刃紋、湾れに互の目を交え、大和伝の直刃と相州伝の湾れ刃の折衷的な出来 匂い深く、沸厚く付き、冴え冴えとする |
五号刀 | 刀 住東叡山忍岡辺長曽祢虎徹興里作 延宝二年六月吉祥日 |
姿、尋常な身幅、元先の幅差ひらき、中切先に結ぶ。寸尺、二尺三分、反り7分弱 鍛え、小板目、相対に肌目立ち、「てこ鉄」と呼ばれる黒い変り鉄、所々に出る 地鉄、明るく冴え、匂い深く、沸厚く付く 刃紋、はばき元に焼き出しを見せる 帽子、典型的な「虎徹帽子」となる 【虎徹の反り】 寸尺、二尺三分であれば、反りは五分五厘から六分 太刀の作例、三本が確認されている そのうち一振り、二尺二寸代で反り七分であることから、本作、反り高め |
鑑定刀 | 刀工名 | 鑑定・鑑賞見所 |
一号刀 | 短刀 兼定 | 之定、来写しの代表作 姿、身幅細めで小振りの平作り短刀。真棟、中筋が細い 地鉄、小板目に地沸付く白け映り立ち、下半は直ぐ、物打ちから 上は乱れる 刃紋、匂い口締りごころの直刃 帽子、直ぐに返り浅く、倒れる |
二号刀 | 刀 □州長船盛景 永和元年十月 |
珍しい、大平造りの刀 「刀剣美術」第447号「名刀鑑賞」に所載の (U)特別重要刀剣の刀と同じ年紀作、「陰」の造りの作か 姿、身幅広く、反りやや浅い、平造り 彫り、表裏とも刀樋を区上で角留め 鍛え、大板目に杢交じり、地沸付いて肌立ち気味 刃紋、小湾れ主調に小互の目、小乱れ 帽子、湾れ込んで突き上げ気味 |
三号刀 | 短刀 兼元 | 姿、身幅尋常、内反り、真棟 地鉄、板目よく詰み、白け映り立つ 刃紋、頭の揃った小互の目、足よく入り、匂い口が柔らかい 帽子、角張って一文字風、短く返る |
四号刀 | 刀 折り返し銘 備前国住雲(以下切) |
雲次の折り返し銘の刀で、従来は珍しい刀銘 姿、身幅尋常、華表反り。彫り、表裏とも片チリの刀樋 地鉄、大板目に杢交じり、地沸付いて肌立ち、地景入る 映り、直ぐに淡く立ち、下半に指で押したような特徴ある映りが 見られる 刃紋、物打ちが締まった直刃、その下は小沸付いて小互の目に 小乱れを交えよく足入る 帽子、三作風に湾れ込んで先中丸 |
五号刀 | 短刀 氏貞 永禄十一年八月十三日 |
姿、身幅尋常、浅く反り、ふくら張る 彫り、表は腰樋,梵字,蓮台を重ね、裏は香箸 地鉄、板目、地沸付いて流れ、白ける 刃紋、表裏揃って、上半は腰の開いた複式互の目、下半は湾れ に互の目 帽子、湾れ込んで沸付いて掃き掛け長く返る |
鑑定刀 | 刀工名 | 鑑定・鑑賞見所 |
一号刀 | 太刀 備前国景安 | 重要刀剣 遺例、4,5本しかない珍しい古備前の太刀 体配、日本刀の草創期の典型、鎌倉初期の綺麗な姿 腰反り付き、先伏しごころで、身幅、重ねも有る 反りが高くても、手におさまるバランスの良さが、保存されてきた証拠 地鉄、よく練れて、板目に杢が交じる、細かな鍛えが入って高いレベルで纏まっている 刃紋、直刃、佩裏、(腰元上に)角ばる刃がカタガタと入るところに特徴有り |
二号刀 | 脇指 長谷部国重 | 重要刀剣 体配、上下から圧縮されたような(茎も短い)、重ねの薄さが特徴的な、延文・貞治期 の典型的な姿。この時期では青江・法華・長谷部一派が想起される 地鉄、刃寄り・棟寄りに柾が入る 青江は、精良、縮緬肌となり綺麗、 法華は、ガサ付き、肌立つ 刃紋、直刃で上から下まで同じ刃幅となり、若干、湾れが入る 帽子、(かなり)焼き下げるのは、長谷部の特徴 【鑑定ポイント】 =直刃= 国信、直刃も焼くが長寸のものに多い、脇差・短刀であれば国重と入札 =乱れ刃= 皆焼であれば、国重は湾れが主体となり、国信であれば、互の目が主体でかなり入る =信国との違い= 地鉄はもっと強くなり、流れ柾やガサ付くことはない 刃紋、同じ直刃でも、打ちのけ等働きは入らない 重ね、ここまで薄いものは無い |
三号刀 | 短刀 備州長船元重 正和五年六月日 |
重要刀剣 正和5年は1316年に当り、時の執権が北条高時であり、 時代の転換期に生きたことから、色々な作風を見せる 刀工と云える 体配、鎌倉末期の特色が出ている短刀姿 地鉄、柾気が強く、独特の地斑状のゆるんで癖の有るもの となり、備前の本流には見えない 刃紋、特徴的に上が揃う、角互の目 元重と入札するのに問題無し |
四号刀 | 刀 肥前国住人伊予掾源宗次 | 重要刀剣 特重1点、重要10点を数えるが作例は多くは無く、今後も見る機会が少ないが、 完成度の高い名工と云える 相州伝ではあるが、堀川・三品・南紀のどれにも何か足りずに消去法で鑑定する しかない作品 体配、慶長期・桃山時代の後期の姿 地鉄、板目が詰んで、流れ肌交じり、地斑状の荒れたところがある 刃紋、出入りが激しく、規則性がない 有る面、否定したとも纏まりがないとも云える =肥前刀との違い= 肥前刀であれば、乱れ刃であっても、頭が揃うし、帽子が違う 銘も太刀銘ではなく刀名となる 肥前上三代は同然であるが、肥前刀として一つに括るには無理があるか |
五号刀 | 刀 津田越前守助広 寛文七年八月日 |
重要刀剣 地鉄の精良さ、体配の捉え、独特な刃紋で「助広」周辺に 体配、典型的な寛文新刀の姿 刃紋、上から下までで、山が五つある、特徴ある大湾れ、匂い口を深く焼いて破綻無し このような大湾れ、初期作に多いか =助直との違い= 焼きの谷に好嫌が出る沸が付くものが多いため、助広ほどの完成度は無く一格落ちる =真改との違い= 地鉄に若干破綻するところが見られ、このような湾れはあまり見られない |
鑑定刀 | 刀工名 | 鑑定・鑑賞見所 |
一号刀 | 刀 於南紀重国造之 | 姿、身幅広く重ね厚め、鎬高い、反り、中間反り、中切先 地鉄、地沸付き、明るく冴える 刃紋、沸出来、刃縁明るい互の目乱れ 帽子、僅かに湾れ、先掃き掛ける |
二号刀 | 太刀 宗吉作 | 毛利家伝来、特別重要刀剣 姿、身幅細め、重ねやや薄い 地鉄、地沸よく付き、鮮明な乱れ映り立つ 刃紋、物打ちより上は直ぐ調子に沸足入り、中程、乱れ大きく、蛙子丁子風の丁子 帽子、直刃、小丸に返る |
三号刀 | 刀 若狭守藤原氏房 天正十六年二月日 |
重要刀剣 姿、身幅広く、鎬地狭い、長さやや短めで、先反り付き、中切先延びごころ 地鉄、地沸よく付き、地景入り、鍛えられ強い 刃紋、箱掛かった大互の目乱れ 帽子、沸付き一枚帽子となる 銘、「若狭守」を少し小さく、「藤原氏房作」を大きく力強く切る |
四号刀 | 脇指 濃州関住兼見 | 兼見、「かねあき」と読む 時代、室町初期 姿、身幅やや細く、鎬筋高い 地鉄、よく詰み綺麗 室町時代末期の美濃物とは一線を画す見事な鍛え 刃紋、焼き出しやや広く、全体が小さく湾れる、細直刃 帽子、刃方に倒れ、中直刃に横手したまで返る |
五号刀 | 脇指 藤原清則 応仁三年二月日 |
姿、中切先、やや先反り付く、片手打ちの脇指 地鉄、地沸付き、よく鍛えられた備前の鍛え 刃紋、互の目乱れ 帽子、指表大きく乱れ、先掃き掛ける 彫物、指表に梵字 |