当支部会員参加による行事日程
古式日本刀鍛錬 一般公開 刀匠、研師、柄巻師、鞘師、白銀師の実演 |
1月2日、3月,4月,6月,11月の第1日曜日 10月は、関市「刃物まつり期間」に開催 |
平成23年度「支部活動」日程
支部活動 | 期 日 |
(1)第1回研究会・支部総会 | 平成23年5月29日(日) |
(2)第2回研究会 | 平成23年7月10日(日) |
(3)第3回研究会 | 平成23年9月11日(日) |
(4)第4回研究会 | 平成23年11月13日(日) |
(5)第5回研究会・新年懇親会 | 平成24年1月中下旬 |
(6)第6回研究会 |
平成24年3月中下旬 |
平成23年度第4回研究会を11月13日に岐阜市南部コミュニティセンタ-において開催しました。
講師は協会本部学芸員の久保恭子氏、研究刀は1号太刀 安綱、2号刀 金象嵌銘 尻懸則長、3号太刀 長舩住元重、4号短刀 國光、5号短刀 長谷部國信の5振りでした。 1号安綱は古雅な姿に平肉よくつき、鉄色に黒味があり、短い焼き落としを見せている。一の札では古備前観が多くあったが「古備前でイヤなら山を越えよ」の格言通り。 2号尻懸は光室の金象嵌であり、第1回特別重要刀剣。鎬高く、鎬幅広い姿に柾目掛かった地鉄で大和物と捉えられる。手掻、当麻の札もあったが同工への決め手は互の目が目立つ点。 3号元重は小丁子や小互の目に交じって独特の片落ち互の目が目立ち、帽子の先端に尖りごころがある。近景観は頷けるが三作帽子とならねばならない。 4号の新藤五國光は鎌倉末期の短刀姿。地鉄に如鱗杢が交じり、刃中に細やかな金筋、所謂翁の髭が見て取れる。 5号は長谷部國信。身幅広く、重ね極端に薄い姿は南北朝期、なかでも青江、備後法華とならび長谷部派の特徴とするところ。沸出来の皆焼であり素直に長谷部へ導かれるが入札は国重が多くみられた。 |
平成23年度第3回研究会を9月11日に関市文化会館において開催しました。
杉浦良幸氏に講師を務めてもらい、研究刀は1号刀 山城守國清、2号薙刀 若狭守氏房、3号脇指 河内守國助、4号脇指 千子正重、5号短刀 了戒の5振りでした。 2号の薙刀は鑑定刀としては珍しいものですが、氏房の傑作であり柴田勝家所持との伝来が鞘書きされています。 4号の正重は珍しい作り込みをしておりますが、地刃は村正そのものであり殆どの方が村正で入札しています。 5号の了戒には来肌は見られないものの白けが強く、刃も染みごころがあって来派の中でも九州気質があり、素直に了戒と見てとれる佳作でした。 |
鑑定刀 | 刀工名 | 鑑定・鑑賞見所 |
一号刀 | 刀 (一葉葵紋)主馬首一平安代 | 重要刀剣 体配、身幅は尋常、重ね厚く、反り浅い 地鉄、小板目詰み、地刃ともに明るい、かね色にやや黒味 刃文、直刃に互の目、小湾れ交じる、芋蔓が無い 銘、二代安在の代銘か 入札、真改や南紀重国も有り 【茎画像】 |
二号刀 | 短刀 備州長舩家助 応永廿三年二月日 |
体配、身幅の割りに寸が伸び、重ね結構厚い 地鉄、板目に杢交じり、所々に地沸付き、地景入る 刃文、こずんで、乱れの間が伸び、角張る刃が交じる 盛光や康光とは調子が異なる 【茎画像(表)】 【茎画像(裏)】 |
三号刀 | 刀 上総介兼重 (裁断名) |
重要刀剣 体配、元先の幅差有り、反り浅く、中切先に結ぶ 地鉄、小板目よく詰み、地沸厚く付き、地景入る 刃文、互の目、「一,二、一,二」のリズムが特徴 焼き出し無く、虎徹帽子とはならず 【茎画像(表)】 【茎画像(裏)】 |
四号刀 | 脇指 越後守包貞 | 重要刀剣 体配、身幅広く、元先の幅差付かず、重ね厚い 棟のおろしが急、中切先に結ぶ 地鉄、小板目が詰み、地沸が厚く付き、地景入り、 かねが冴える 刃文、大互の目乱れ、濤瀾風 横手下、互の目が三つ連れる特徴有り 【茎画像】 |
五号刀 | 刀 応阿州臣正木利啓需 備前介藤原宗次作 万延元年八月日 |
重要刀剣 体配、重ね厚く、身幅広く、堂々とした姿 地鉄、精緻な良い地鉄、鏡かね風 刃文、互の目に丁子交じり、足が長く入る 茎鑢、万延元年の内に変遷有り 【茎画像(表)】 【茎画像(裏)】 |
鑑定刀 | 刀工名 | 鑑定・鑑賞見所 |
一号刀 | 刀 肥前国住陸奥守忠吉 | 三代忠吉の作 特別重要刀剣、特重の中でも屈指の一振り 一点の緩みも見られない素晴らしい出来 体配、身幅広く、重ね厚く、元先の幅差少し付き、 浅い腰反り付く、大切先延びごころ 地鉄、細かな強い地沸、かすかな地景付き、 潤いが有り綺麗、三代独特のもの 刃文、肥前刀完成期の中直刃、明るく、刃縁の 沸が独特の幅 帽子、直刃、先中丸に浅く返り、上手 【茎画像】 |
二号刀 | 刀 一竿子忠綱 彫同作 元禄十二年八月日 |
体配、身幅広く、元先の幅差付かず、切先延び ごころ、優しい中間反り付く、元禄時代の姿 鎬幅狭め、平肉の付かない大阪新刀によく見る 造り込み 彫物、指表、玉追龍、指裏、三鈷柄剣 彫り、深く力強い、一竿子特有 地鉄、小板目よく詰み、地沸一面に付く やや肌立った潤いのある綺麗な鍛え 刃文、互の目乱れ、小沸付き明るく冴える 沸足よく入り、部分的に濤瀾風に大互の目となる 帽子、先小丸に少し掃き掛け、横手まで返る 【茎画像】 |
三号刀 | 短刀 肥前国忠吉 | 初代忠吉の作 体配、身幅こころもち広め、重ね尋常 少し寸が伸びて、浅い反り付く 彫物、指表、草の三鈷柄剣、指裏、寒山拾得 指月の図 地鉄、板目に杢交じり、よく練れて細かな 地沸付く やや肌立ち地景が絡む肥前刀初期の 一見古く見える鉄 刃文、直刃 帽子、先尖って、刃方に倒れ気味に返る 【茎画像】 |
四号刀 | 短刀 筑州住國弘作 正平廿三年三月日 |
大左の門人か 体配、身幅広め、重ね薄い、中間反りが付く 南北朝期の短刀姿 地鉄、ねっとりとした鍛え肌、潤いがある 白気風の映りが一面に付く 刃文、直刃に小乱れ、刃縁,刃中に砂流し, 金筋激しく掛かる 帽子、小さく乱れ、先小丸に返り尖り気味に 浅く返る 【茎画像】 |
五号刀 | 短刀 兼法作 延定 |
関と山田関の合作、資料的に貴重 体配、身幅,重ね頃合い、軽い内反り付く 室町時代中期の短刀姿 地鉄、細かな地沸つき、平地に地景表れ、 白気映り鮮明に表れる 刃文、美濃独特の互の目乱れ 【茎画像】 |