当支部会員参加による行事日程

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 古式日本刀鍛錬 一般公開
 刀匠、研師、柄巻師、鞘師、白銀師の実演
 1月2日、3月,4月,6月,11月の第1日曜日
 10月は、関市「刃物まつり期間」に開催



平成28年度「支部活動」日程

支部活動 期   日 会   場
 回定例研究会・総会  平成28年 5月29日(日)   関市文化会館
 回定例研究会  平成28年 7月10日(日)   岐阜市南部コミュニティーセンター
 回定例研究会  平成28年 9月25日(日)   関市文化会館
 回定例研究会  平成28年 11月13日(日)   岐阜市南部コミュニティーセンター
 回定例研究会・懇親会  平成29年 1月14日(土)   ホテルグランヴェール岐山
 6回定例研究会  平成29年 3月26日(日)   岐阜市南部コミュニティーセンター

※ 研究会に一般参加・見学を希望される方は事前に、住所・電話番号・氏名・年齢・職業を記してお申込み下さい。

申込先 : 〒500-8258 岐阜市西川手四丁目20番 日本美術刀剣保存協会岐阜県支部 
                                 e-mail 
houji@pg8.so-net.ne.jp

       (当日の飛び入り参加、および反社会的団体に関係する方は固くお断りいたします。)

尚、参加会費は 1,000円/1回 を申し受けます。




  ◆第6回定例研究会
  
平成29年3月26日、博多支部の米田一雄氏に講師としてお越しいただき、
  
定例研究会を岐阜市南部コミュニティセンターにおいて開催しました。

  
※以下画像をクリックすると大きい画像が見れます。


  1号刀 刀 無銘 左弘安(重要刀剣)

   刃長69.9cm 反り1.3cm 元幅3.15cm 先幅2.4cm

  
鎬造り、庵棟、身幅広く、元先の幅差目立たず、反り浅くつき、中切先延び、表裏に棒樋を掻き通す。
  板目に大板目・杢交じり、肌立ち、地沸厚くつき、地景よく入り、処々地斑調の肌合いを交え、鉄色黒みがかり白け映り立つ。
  刃文は互の目・小互の目・小丁子・小のたれ・尖り刃など交じり、足・葉入り、匂やや深く、沸よくつき、処々むらとなり、金筋・砂流しかかる。
  帽子の表は小さく乱れ、裏は直調、共に先尖りごころとなり、やや掃きかける。
  茎大磨上、先栗尻、鑢目筋違、目釘孔二。
  弘安は左文字の流れを汲む門人の一人で、行弘の子と伝える。
  現存する在銘刀は短刀に限られ、無銘極めの刀には、左一類と鑑て互の目の目立つものがよく見受けられる。



  
  2号刀 短刀 銘 安吉(重要刀剣)
  
 刃長24.3cm 反りなし 元幅2.2cm 茎長さ8.2cm 茎反り僅か

  平造り、庵棟、ふくら枯れてするどい姿となる。
  小板目つみ、刃寄り流れて地沸つき、棒映り立つ。
  刃文は浅くのたれて小互の目主調、足入り、匂深く小沸つき、細かに金筋入る。
  帽子は小丸に深く返る。
  茎生ぶ、先栗尻、鑢目筋違、目釘孔二中一埋、指表目釘孔の下に二字銘。
  安吉は大左の子で、その二代を継ぐと伝え、後に長州へ移住して、その子孫は室町まで続いている。
  在銘のものは短刀・小脇差に限られ、太刀は見ない。
  安吉の作風はよく師風を継承しているが、往々にして匂勝ちの作があって棒映りが立ち、備前兼光系に紛れそうなものもある。
  この短刀は大左の作風をよく継承した作例。




  3号刀 脇差 銘 備州長舩長吉 永和二年五月日(重要刀剣)
   刃長38.2cm

  身幅広く、寸延び、元来は重ね尋常、三ッ棟、中反りつく。
  鍛小板目立ち、地景よく入り地沸つき、湯走りがある。
  刃文は沸つよい出来、小互の目主調行に乱れて足入り、表帽子崩れごころ丸味あり、裏つきあげごころ、ともに返りが深い。
  茎生ぶ、先栗尻浅く、棟角、刃方小丸、鑢目筋違、目釘孔二、上記の長銘と年紀を行書体ばさけて切る。
  出来も銘振りもすなおに長義一派とみられるもので、銘鑑に長重の子とあるものに該当するのであろう。
  長重在銘作の経眼は少ないが、長吉はそれ以上であって資料としても貴重。




  4号刀 脇差 備州長舩盛光 應永十一年十二月日

  鎬造り、庵棟、ふんばりのある美しい姿、普段見る応永備前よりワンランク上の潤いのある地鉄。
  刃文は互の目に丁子の交じった綺麗な刃取り、小反りだと尖り刃などもう少し色々な刃が交じる。
  もう少し代が下がると身幅広く、長寸となり、腰開きの互の目丁子などが出てくる。
  茎生ぶ、目釘孔二。



  5号刀 薙刀 九州筑後ニテ下坂八郎左衛門作 慶長八年八月吉日 樋口越前守指料(重要刀剣)
   刃長48.6cm 反り2.5cm 元幅2.45cm 茎長さ53.9cm

  薙刀造り、三ッ棟、反りやや深く頭張り、表裏に薙刀樋と添樋。
  板目に杢交じり、やや肌立ちごころに地沸つく。
  刃文は浅くのたれ調に小互の目交じり、足・葉入り、ムラ沸つき、帽子は小丸に少し掃きかける。
  茎生ぶ、先栗尻、鑢目鷹の羽、目釘孔一。


  米田一雄氏がお持ち下さった刀装具4点
  
  左から
  
  鐔 銘 一家式 弦月に秋草図鉄地鐔
  鐔 無銘 刀匠 日月図透鉄鐔
  笄 無銘 後藤 二兎図赤銅地
  目貫 色絵貮疋獅子目貫 作顕乗 代金参枚五両 後藤四郎兵衛 天文三年六月七日 光理(花押)

  


  第5回定例研究会
  平成29114日、公益財団法人日本美術刀剣保存協会・学芸員田中宏子先生を講師にお迎えし、
  定例研究会・新年懇親会をホテルグランヴェール岐山において開催しました。



 

 ※以下画像をクリックすると大きい画像が見れます。   

  1号刀 太刀 安綱(長府毛利家伝来)


  鎬造り、身幅尋常、鎬地狭く腰反り強い、先はうつ伏せごころに小切先。
  地鉄は大板目流れ肌立ち、鉄色黒味がかる。地斑映り鎬までかかり、姿と共に時代を表す。
  刃文は焼き落とし、小乱れ調の中に互の目、のたれ、足よく入り、匂口に沸が強くつき、また鍛え肌に沿って刃中にも沸がつく。
  同じ古伯耆でも安綱に比べると、真守の場合乱れがこずみ、真景の場合金筋・砂流し・湯走りなど地刃の働きが激しい傾向がある。



  2号刀 短刀 来國光(重要刀剣)
  
 
  平造り、吉光・来國俊などと比べて長くなり、身幅も広く、重ね薄いところからそれらよりは時代が下がる姿。
  地鉄は小板目よくつみ、所々にいわゆる来肌が表れ、地沸・地景入り、沸映り鮮明にたつ。
  刃文は相州伝系の乱れ刃で、匂口明るく冴え、帽子は乱れこんで尖る。
  左安吉や大左、宇多國房の札もあったが、左安吉や大左であれば反りがもう少しつき、宇多國房なら光の強い沸がついたりする。




  3号刀 太刀 無銘(青江) 
  

  大磨り上げ無銘、鎬造り、身幅広く、元先の差少なく大切先、新刀・新々刀ほど重ねは厚くない。
  板目に杢目を交えたちりめん肌に段映り現れる。
  刃文は直刃に足・葉、特に逆足入り、締まった匂勝ちの刃文に小沸つく。
  映りが鮮明だった為か、同時代の備前系諸工に見られた方も多かったが、ちりめん肌や段映り、直刃に逆足という点で南北朝期の青江と見て頂きたい。



  4号刀 太刀 備州長舩盛光(特別重要刀剣)
           應永十二年八月日

  
  身幅はやや広めで、元先の幅差つき、腰反りに先反り加わる。
  地鉄は杢目交じり、映り立つ。
  刃文は高低のある腰の開いた互の目で、盛光の代表的な作例。
  同じ応永備前の康光と比べると、盛光の方が大模様の刃文が多いと言われている。




  5号刀 刀 武蔵大掾藤原是一

  元先の幅差つき、江戸石堂の中では反りのある姿。
  地鉄は鎬地だけでなく全体に板目流れてほぼ柾目で、これは石堂のなかでも是一や弟子である福岡石堂の特徴の一つとして挙げられる。
  刃文は逆がかってこづむ丁子で、逆がかった丁子は福岡石堂にも見られるが、福岡石堂には刃幅に広狭があり、鎬にかかるほど高いものもある。
  また本作の帽子は直ぐ調に小丸に返るが、福岡石堂や同じ石堂の多々良長幸などの場合乱れて入る事が多い。







 ◆第4回定例研究会
 平成28年11月13日、株式会社舟山堂稲留社長を講師にお迎えし、定例研究会を 岐阜市南部コミュニティセンター
 において開催しました
 

 1号刀 太刀 銘 正恒(重要美術品)
 刃長688mm 反り22.7mm 元幅26mm 先幅19mm  元重ね6.5mm

 鎬造り、庵棟 鎬高く、時代は平安末期から鎌倉初期の上品な姿をしております。
古備前一派の両雄友成と共に初期備前刀剣王国を築いた代表刀工です。 
地鉄、小板目よく詰み指し裏に判を押したような地斑映りが鮮明にたっています。
刃文は小沸のついた直調の小乱れ刃で、刃中は丁子、沸足盛んに働き、帽子はほぼ焼きづめ風になっています。
生ぶ茎、孔二、雉子股風、鑢目筋違、茎の反り稍乏しく、後世少し伏せられたものかとも思われる。
米田子爵家より出て、田中光顕伯より旧主深尾家へ贈られた太刀である。



2号刀 短刀 銘 備前国吉井盛則應永二十四年二月日
 刃長283mm  反り僅か 元幅28mm 重ね6mm

 菖蒲造り、腰元表裏に護摩箸の彫刻有り、地鉄はねっとりした小板目に杢目をまじえ、かすかに独特の映りたつ。
刃文はほとんど匂い本位の連れた互の目を焼き少し片落ち風あり、一見南北朝の兼光を思わせるところもありますが、
互の目の連れたところと独特の映りで吉井とみて頂ければよいと思います。

備前国吉井盛則


 
3号刀 太刀 金象嵌 銘 長光
 刃長715 mm 反り22.7mm  元幅29mm  先幅25mm   重ね6.5mm

 鎬造り 庵棟 表裏に二筋樋を丸留、腰元表に八幡三所大菩薩、表に春日大明神の文字彫有り
鎺元に彫が見え、少し上がっている事が解りますが総体に反りが深く腰反りです。切先は猪首切先で、
鎌倉時代中期の姿です。
刃文は匂い出来で高低の少ない丁子に互の目を交えた出来で、地鉄は板目肌良く詰んで映りが鮮明に立っています。
従って備前の中で長光、景光、真長、近景など長船物が候補に挙げられ、その代表格長光と見て頂きたい。
なお景光、真長はより匂い口がしまります。
これはもと奥平家にあり、将軍家から拝領したとの記録が残っています。



4号刀 脇指 金象嵌 銘 長光
 刃長430mm 反り12mm 元幅23mm  先幅18mm  重ね5mm 
 
鎬造り 庵棟
これは元々小太刀を切り詰めて摺り上げにしたものです。地鉄も刃文も大変健全でゆるみなく焼いています。
とくに地鉄は細かによく詰んでいます。長光としても丁子刃主体で元は華やかで物打ち辺は穏やかになっています。
帽子はややのたれて三作帽子になっています。
前期後期とすれば後期の部類に入る作風をしています。
地鉄の映りは全体にきれいな明るい映りが出ています。長光後期作の特徴が地鉄刃文とともによく示されています。
3号刀と共に大小拵え一作となっております。



5号刀 短刀 銘 兼先
 刃長258mm 反りなし 元幅22.5mm  先幅18.5mm  重ね5mm
 
平造り、庵棟
地鉄板目肌、やや肌立ち柾がかり、美濃もの特有の映りがたち、刃文は沸出来で匂い口明るく、直刃に尖り刃を交え、
帽子は掃きかける、返りは深い。
地鉄の板目が柾がかるところ、映りがよくたっている点、尖り刃混じるところを押さえてもらえれば関ものに入札
するのは難しいことではないと思います。

  兼 先
 
 




第3回定例研究会
平成28925日、関市文化会館において第3回定例研究会を開催しました。
講師は今年から支部交流を始めた、京都府支部さんの副支部長を務めておられる辻本真幸先生でした。
出陳刀は以下の通りです。


 

 

1号刀 太刀 銘 康光

腰反り深めの姿ながら、先反りが加わり應永姿ととらえられる。
刃文はこづんだ丁子乱れで乱れ映りに紛れた棒映りが立ち、備前ものと導かれるが、應永備前特有の腰開いたところが
見られない。
さらに傑出した出来のため長光や景光への入札が多く、康光の札は近藤支部長だけであった。

 

2号刀 脇指 銘 和州手掻住包國於駿府造之

鎬造の中脇指。鍛えは明るくよくつんだ柾目をしており、小沸づいた中直刃を焼いて帽子を焼きづめている。
非常に特徴ある出来をしており、南紀重國以外の札は
1名のみであった。

 

3号刀 寸延び短刀 銘 山城國埋忠慶隆

平造の大きく寸延びした短刀、いわゆる小脇指である。
地鉄が総体に肌立っており、やや逆がかった大互の目を間遠に焼く。
この特徴ある刃文形に気づけば慶隆、すなわち東山美平と絞られるが、本日一番の難物であり、同工への入札は
近藤支部長と渡邉和夫氏の
2名のみであった。
それでも埋忠明寿と観た札も3名あり、はずした札も金道、輝廣、國廣と美平の周辺に集まった。

 

4号刀 短刀 銘 兼信

片切刃造、身幅広く、重ね薄く、反りがついた延文貞治姿。表は樋中に三鈷柄剣と梵字を重ね彫し、裏は太樋に梵字を
陰刻する。
鍛えは板目肌に杢交えた潤いのある美しい地鉄。
刃文は表裏揃った頭と谷の丸い互の目乱れを焼き、帽子に玉を1つ置く。直江志津の典型作であり、かつ名刀である。
しかしズバリ兼信へは近藤支部長と渡邉和夫氏、井戸誠嗣氏の3名に過ぎず、ほかには同然に金重が3名とやや振るわなかった。

5号刀 短刀 銘 備州長舩兼光延文二年十一月日

平造、重ね薄く、浅く反りが付いた上品な姿。
鍛え小板目が美しくつみ、見事な映りが立つ。

刃文は浅い互の目を焼き、僅かに逆ごころが見られる。
これも典型的な兼光の傑作であり、ほとんどの人が同工のほかに景光、近景など長舩上工へ入札していた。

京都府支部さんとは始めたばかりの支部交流ですが、さすがに古都を活動地とされているだけあり、
目の覚めるような名刀ぞろいでした。

兼信        備州長舩兼光
 
 
 

5月29日定例鑑賞会
入札鑑定刀
1号刀 太刀 銘 國宗(備前三郎)
2号刀 脇指 銘 陸奥守大道/大縄賢物義辰
3号刀 太刀 銘 備州長舩祐光/文安五年二月日 金象嵌截断銘
4号刀 太刀 銘 備州長舩幸光/康應元年十二月日
5号刀 刀  銘 濃州千手院道印
鑑賞刀
6号刀 太刀 銘 國綱(古備前)
7号刀 太刀 銘 判読不能(古青江)
鑑賞小道具
這龍図目貫 銘 無銘(古美濃)
勝虫図縁頭 銘 安親



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