当支部会員参加による行事日程

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 古式日本刀鍛錬 一般公開
 刀匠、研師、柄巻師、鞘師、白銀師の実演
 会場・関鍛冶伝承館
 1月2日、2,3,4,5,6,7,8,9,11,12月の第1日曜日
 10月は、関市「刃物まつり期間」に開催


令和元年度「支部活動」日程

支部活動 期   日 会   場
 回定例研究会・総会  令和元年 5月25日(土)   関市文化会館
 第2回定例研究会
 令和元年 7月13日(土)   岐阜市厚見公民館
 回定例研究会  令和元年 9月7日(土)   関市文化会館
 回定例研究会  令和元年 11月10日(日)   岐阜市南部コミュニティーセンター
 回定例研究会・懇親会  令和2年 1月18日(土)   ホテルグランヴェール岐山
 6回定例研究会  令和2年 3月28日(土)   茜部公民館

※ 研究会に一般参加・見学を希望される方は事前に、住所・電話番号・氏名・年齢・職業を記してお申込み下さい。

申込先 : 〒500-8258 岐阜市西川手四丁目20番 日本美術刀剣保存協会岐阜県支部 
      e-mail houji@pg8.so-net.ne.jp
(当日の飛び入り参加、および反社会的団体に関係する方は固くお断りいたします。)

尚、参加会費は 1,000円/1回 を申し受けます。

 第6回定例研究会

 
令和2年3月28日(土)講師として福岡より米田一雄先生にお越しいただき、岐阜市茜部公民館にて第6回定例鑑賞会を開催いたしました。
 今回は生ぶ茎の在銘作を5振りも用意していただき、肥前刀の特徴なども詳しく解説いただきました。
 一号刀 刀 銘 表 備州之住長舩十郎衛門尉 藤原春光作 裏 天正三年乙亥八月吉日

 姿は踏ん張り付き腰に加えて先にも反りがつく末備前の姿。刃文は様々な乱れ刃を交える。
 今回は一見姿がよく似ている一号刀と二号刀の違い、特に室町末期の本作と鎌倉期の二号刀の姿の違いというものを感じていただく為に用意をしました。
 実際に比べてみると太刀と刀の違いが歴然と感じていただけるかと思います。

 二号刀
 太刀 國行

 姿は華表反り深く、踏ん張りのついた堂々とした姿。
 地鉄は小板目よく詰んで冴え、腰元に地斑が交じり、淡く丁字映りごころがある。
 刃文は匂い深く、よく小沸のついた小互の目に互の目が交じり、細かな砂流しかかり、足や葉が入り、わずかに棟焼きがある。
 帽子は湾れごころに先小丸。

 三号刀
 脇指 銘 一 出羽守行廣

 姿は深い輪反りに中切先大きく伸びる。地鉄は小糠肌。刃文は元に焼き出し、複雑な乱れ刃、乱れの谷に沸がつく、足入るが刃先までは抜けず一定のところで揃う。
 帽子は乱れ込み地蔵風。茎棟は角。

 肥前刀独特の地鉄に輪反りであるところ、沸の付き方や足の入り方など、肥前刀の特徴を示していますが、焼き出しや帽子が乱れ込んでおり、
 そういったところで入札を迷われた方もいるかと思います。
 今回覚えていただきたいのは、肥前刀の茎は脇指・短刀の場合は棟方が角で指表に銘を切り、刀の棟方は小肉がついて指裏に銘を切るということです。
 ですが本作は長さは二尺一寸ほどで登録上は刀であるものの、茎は角棟で、指表に銘を切っています。
 これは偽銘ということではなく、現在の法律での区分上は刀とされていますが、この掟に依れば刀ではなく大脇指として作られたものであった為と思われます。
 本作のような例もありますので、肥前刀の茎の特徴と登録証での刀や脇指といった表記はあくまでも現在の法律上の区分であるということと、
 肥前刀の茎の特徴とを覚えていただきたいです。

 四号刀
 短刀 銘 安吉

 姿は重ね薄く、身幅広め、寸が伸び、少し先反りつく。刃文は小湾れに互の目を交え、帽子は尖って返る。
 多くの方が安吉、または左とみていらっしゃって嬉しく思います。
 左ですと本作より小ぶりなものが多く、刃文も大湾れに煌めくような沸が付き、本作のように小湾れに互の目といった刃文ではありません。

 五号刀
 脇指 銘 表 濃州住氏貞作 裏 永禄十年八月吉日

 姿は身幅尋常に先反りつく。やや低い真棟。表裏ともに刀樋を区上で丸留め。
 地鉄は小板目よく詰み、裏はやや肌立ち、地景入り、美濃映りが立ち、区上に地斑映りが混じる。
 刃文は表裏揃った湾れ、物打ちに互の目を交え、刃淵小沸つき、匂い口深い。帽子は乱れこんで先突き上げ、乱れながら返り、裏は直ぐに先小さく角張り、
 掃き掛けながら深く返る。


 第5回定例研究会・懇親会

 令和2年1月18日(土)日本美術刀剣保存協会より、釘屋奈都子学芸員に講師としてお越しいただき、ホテルグランヴェール岐山にて
 第5回定例研究会と新年の懇親会を開催いたしました。
 1号刀 太刀 無銘 当麻 金象嵌銘 恐
 
 
姿は鎬筋高く、鎬幅広い大和伝の姿。地鉄は板目に杢目交じり、地景入り、地沸よく付き、処々流れ肌が目立つ。
 刃文は中直刃を基調に処々互の目が入る。流れた地鉄に沿って刃縁ほつれ、金筋・砂流し盛んに入る。
 上半の互の目が連れたところからか、尻懸の札がありましたが、尻懸であればそういった特徴は全体的にみられます。
 そして千手院の札もございましたが、千手院であれば古色が目立つかと思います。
 また本作は全体的に大和伝の特徴が強く、こういった作品は無銘であれば当麻に極められる傾向があります。
 

 2号刀
 太刀 無銘 長義

 姿は元先の幅差がつかず、大切先。地鉄は板目に杢目が交じり、乱れ映り鮮明に立つ。
 刃文は湾れを基調に互の目・丁字が交じり、湾れに高低の差がつく。葉・足など盛んに入り、沈みごころ。
 長義には大きく分けて、地鉄が肌立ち、地沸のよく付いた相州伝風のものと、本作のように乱れ映り立ち、沸もあまり付かない備前伝風のものがあります。
 姿と地鉄から南北朝期の備前刀、その中でも湾れに高低の差がつき、出来も優れるところから長義とみていただければと思います。

 3号刀 
刀 銘 坂倉言之進照包 延寶八年二月吉日

 所謂寛文新刀の姿に少し反りがついた姿、平肉がつかず、庵が高い。。地鉄は小板目よく詰み精美。
 刃文は大坂焼き出しから濤乱乱れ、矢筈や所謂片山乱れと言われる山を半分に割ったような形状の刃文が交じり、横手下に互の目が三つ連なる。
 姿と地鉄から大坂新刀、そして刃文の特徴から照包とみていただけると思います。
 

 4号刀
 太刀 銘 備州長舩家助 永享九年八月日

 姿は元先の幅差つき、腰反りに加え先反りもつき、中切先。地鉄は板目に杢目交じり、処々流れて肌立ち、映り立つ。
 刃文は腰の開いた互の目を中心として、尖り刃や箱がかった刃が多く入り、佩裏の帽子尖りごころにかえる。
 上記の姿に、映りが立ち、腰の開いた乱れ刃がみられるのは應永備前を中心とした刀工の特徴といわれています。
 そして應永備前の中でも地鉄が整わないところや、尖り刃など色々な刃が交じるところから、家助や経家とみていただきたく思います。

 5号刀
 短刀 銘 安吉

 姿は身幅広め、重ね薄い。地鉄は板目に杢目が交じり、全体に白け映り、刃寄りに棒映り立つ。
 刃文は湾れを基調とし、互の目、小丁字を交え、帽子は刃寄りに尖り、倒れてかえる。
 身幅が広く、重ねが薄い、映りが立つというところからか備前の兼光の札がありましたが、兼光であれば湾れはもっとおおらかにゆったりとします。
 また、左文字の札もありましたが、左文字であれば本作よりも短寸のものが多くなり、本作の刃寄りに尖って、倒れる帽子は安吉の特徴ですので、
 そういったところをみて安吉としていただければと思います。



 第4回定例研究会

 令和元年11月10日(日)株式会社舟山堂より稲留社長に講師としてお越しいただき、岐阜市南部コミュニティセンターにて第4回定例研究会を開催いたしました。
 1号刀 短刀 銘 兼氏

 姿は平造り、三ツ棟、身幅細く、ふくらやや枯れる。表に梵字と刀樋、裏には香箸を刻する。
 地鉄は板目に地沸厚く付いて、やや肌立ち、刃寄り流れ、地景入り、幽かに映り立つ。
 刃文は表裏揃った浅い湾れ加減の互の目、小沸付いて足入り、処々刃縁ほつれ、砂流しかかり、区際を大きく焼き込む。
 帽子は浅く湾れ、先殆ど焼き詰め、一段と沸付き、細かに掃き掛ける。
 茎は生ぶで先切、棟方僅かに肉付き刃方は厚みのある角、鑢目桧垣、刻銘の上部が研ぎ溜まりにかかり底銘となる。
 入札は鎌倉末期の短刀とみられた方が多く、新藤五國光や吉光の札もありました。
 また本作には後藤一乗作の桐紋が施された壺笠目貫と岩本昆寛作の菊図の小柄が使われた拵が付随しています。


 2号刀 小太刀 金象嵌銘 長光

 
姿は鎬造、庵棟、細身でやさしい造り込み、小切先。地鉄は板目肌よく詰み、乱れ映り鮮明に立つ。
 刃文は丁字乱れ、蛙子丁字、互の目が交じり、足・葉よく入り、匂口明るい。帽子は湾れごころに先小丸に返る。
 茎は大磨り上げ、先栗尻。
 本作は小太刀を大磨り上げにして金象嵌銘を施したものです。
 小太刀であるもののよく詰んだ美しい地鉄に映りが鮮明に立ち、高低の少ない丁字刃が明るく冴えています。
 また帽子の返りが非常に浅いところは古い刀に多い特徴です。そういったところから長光とみていただきたい作です。
 

 3号刀 
刀 銘 於南紀重國造之

 
姿は鎬造、庵棟、反り浅く、中切先。地鉄は板目に流れごころの肌が交じり、地景入り、地沸付く。
 刃文は下半が直刃、二重刃風がある。上半は互の目乱れ、総体に沸よく付き、金筋・砂流しかかる。帽子は直に焼き詰め。
 茎は磨り上げ、先切、鑢目は浅い勝手下がり。
 新刀の中でも南紀重國の地刃は味わい深いところがあり、また大和伝と相州伝の両伝を加味して独自の作風を作り上げているところに強烈な個性があります。


 4号刀 
刀 銘 兼門作

 姿は鎬造、庵棟、身幅広く、重ね厚く、中切先延びごころ、がっちりとした造り込み。
 地鉄は板目細かに詰み、鎬地柾目、鎺元美濃映り立つ。刃文は尖り刃を交えた互の目乱れ。帽子は表乱れこんで大丸、裏湾れてやや地蔵帽子風。
 茎は少し区送り、棟を少し磨り、鑢目元の鷹の羽が残る。
 本作は入札で個銘を当てるのは困難であるものの、殆どの方が地刃の特徴から兼定などの美濃刀の札を入れておられ、結構なことと思います。


 5号刀
 短刀 銘 長谷部国重

 姿は平造、三ツ棟、身幅広く、重ね薄い。地鉄は板目肌に流れ肌が交じる。地沸よく付き、地景交じる。
 刃文は互の目乱れに飛び焼きを交え皆焼、金筋・砂流し盛んに入る。帽子は表は乱れ込み大丸、裏は掃き掛けて返る。
 茎は生ぶ、舟形に栗尻、棟方丸く、刃方小肉、鑢目勝手下がり。
 南北朝時代の平造は幅が広く、重ねが薄いのが一般的ですが、中でも長谷部は最も薄いといわれています。本作も大変重ねが薄く、元重ねで3.5mmしかありません。
 また地鉄は板目に流れ肌がよく交じっています。この重ねと地鉄の2点は長谷部の特徴ですので覚えていただければと思います。


 第3回定例研究会

 令和元年9月7日、関市文化会館にて第3回定例研究会を開催いたしました。
 研究会では当支部支部長、近藤邦治氏に講師を務めていただき、5振りの古名刀を鑑賞刀として用意して下さいました。

 1号刀 太刀 
銘 安□ (古伯耆安綱)

 姿は鎬造り、低い庵棟、腰反り深く、先伏さり、細身ながら踏ん張りが残り、鎬幅狭く、小鋒。
 地鉄は板目に杢交え、肌立ちごころとなり、幽かに映り立つ。
 刃文はよく沸づき、匂い口沈み加減の互の目を基調に、小乱れを交え、足よく入り、物打ちは焼きが弱くなる。帽子は糸直ぐ風に焼き詰めるが、焼き弱く判然としない。
 茎は磨上て先切、平肉つかず、朽ち込み激しく底銘加減となり、「綱」は摩滅し、鑢目不明 。

 入札は古備前が多く、そのほかに古青江、豊後などもありました。
 本作を古伯耆とみていただきたいところは、鎬幅が目立って狭いこと、沸が強いこと、佩き裏に僅かですが焼き落としがみられることが挙げられます。


 2号刀 太刀 銘 雲生 (裏に十の切付銘あり) 第38回重要刀剣

 姿は鎬造り、やや低い庵棟、腰反りつき、先幅落ちて小鋒。表は鎬地に腰樋を区上で丸留めとし、鎬筋上に梵字。裏は鎬地に香箸、鎬筋上に梵字を刻する。
 地鉄は板目やや流れて杢交じり、乱れ映り立ち、地斑映りが重なる。
 刃文は焼き出しから細直刃とし、中程は直ぐ調の低い小互の目を連ね、物打ちから上を糸直刃とする。匂い深く、小沸つき、細やかな足入り、染みごころがある。
 帽子は表直ぐに殆ど焼き詰め、裏は小丸わずかに返る。
 茎は生ぶながら、先大きく摘まむ。鎬筋甘く、刃方面取り、棟方僅かに肉、鑢目大筋違い。刻銘「生」が「雲」に比して右へ寄る。

 入札は来、青江などもみられました、備前傍系で来や青江風があるといえば自然に雲類にもっていけるかと思います。
 また雲類のなかでも雲生や雲次などがいますが、本作を雲生とする決め手としましては、まず小ぶりであること、
 そして上半の方は直刃だが下半にくると小さな乱れが交じるところが、雲生の特徴とされている様です。

 3号刀 太刀 
銘 表、濃州住兼吉 裏、應永九年八月 (重要刀剣、日本古刀史、日本刀大鑑所載)

 姿は鎬造り、元来の細身、腰反り深く、先反り目立たず、殆ど鎌倉後期姿に紛れる。庵棟低めに鎬高い。
 地鉄は小板目精良につんで地沸つき、佩裏腰元に地斑を交え、区際から中程までは刃寄りに低く棒映り現れ、物打ちは乱れ映りとなる。
 刃文は匂い口明るくよく締まった直刃を基調に腰元小互の目を連ね、盛んに小足、鼠足が入り、仄かに逆ごころがあって、物打ち刃中に一筋の匂い線が長々と入り、
 佩き表中程に節刃を一つ焼く。
 帽子は僅かに湾れながら先小丸。
 茎生ぶ、上なりに反り深く、平肉豊かに付き、先浅い栗尻、茎棟中肉、刃方面取り、鑢目判然としないが鷹羽。
 
 一見鎌倉時代の太刀に見紛う姿からか入札は鎌倉時代の作とみられた方が多かったです。
 ですが研ぎ減ってはいないのに元先の幅差が少ないところは鎌倉時代とは違う部分です。
 そして上半は乱れ映りで、下半は明瞭な棒映りです。姿に加え、棒映りがあるというところで應永時代ころの作であると考えられます。
 また、鎬が高く、佩き表の中程に節刃を焼くところから美濃刀であると気づいていただければ、善定兼吉とみていただけるかと思います。

 4号刀 刀 
銘 兼基

 姿は鎬造り、庵棟、元先の幅差少なく、重ね薄く、鎬高く、中鋒大きく伸びる。
 地鉄は板目やや肌立ちながらゆったりと流れ、鎬地は柾となり、淡く美濃映り立つ。
 刃文は匂口沈んだ互の目が三つずつ繰り返し、小足入った、所謂三本杉。物打ち辺りで所々駆け出し気味となる。
 帽子は乱れ込んで先小丸に掃き掛け、極く短く返る。
 茎は生ぶながら区を大きく送り、先入山形。棟方刃方とも角、鑢目鷹羽、棟鑢勝手下り。

 兼基はいわゆる孫六兼元の親と弟が切った銘であるといわれておりますが、本作は銘振りや孫六兼元の様な作風であることからおそらく弟の方の作刀ではないかと思います。
 

 5号刀 刀 
銘 表、若狭守藤原氏房作 裏、天正拾六年二月日 (第17回重要刀剣)

 姿は鎬造り、庵棟、先反り強く、鎬幅やや広く、平肉つく。
 地鉄は鍛板目やや肌立ちながらゆったりと流れ、鎬地は柾となる。
 刃文は匂い口沈みごころの箱刃風の湾れを主張に互の目を交え、足、葉入る。
 帽子は乱れ込み一枚となる。
 茎は生ぶながら棟を磨り、先浅い栗尻。棟方角、刃方角に面取り、鑢目勝手下り。

 本作は桃山時代の典型的な姿をしており、地鉄も末関の標本的なものです。刃文から村正の入札もありましたが、本刀工は初期のころは末関の互の目が多く、
 後期になりますと本作のような箱乱れ風の湾れ刃を焼くようになります。

 第2回定例研究会

 令和元年7月13日、岐阜市厚見公民館にて第2回定例研究会を開催いたしました。
 研究会には講師として日本美術刀剣保存協会より久保恭子先生にお越しいただきました。

 1号刀 太刀 銘 来國俊 元亨元年十二月日(重要美術品)

 姿は反りが深く、鳥居反り。
 刃文は丁字に小乱れを交える。いわゆる京逆足が佩表にみられ、佩裏には通常の逆足が入り、帽子は小丸に返る。
 本作は来國俊八十一歳、最終年紀の作。
 鳥居反りの姿からか雲類の入札がありましたが、京逆足が入るところに注目しますと来系にみていただけると思います。
 そして来の中でもさほどまで身幅広くなく、小切先気味の優しい姿であれば、来國俊に入札された方がよろしいかと思います。

 2号刀 太刀 銘 備州長舩次行(小反り)

 1号刀の来國俊と比べると先反りがついた姿。
 地鉄は変わり鉄状の地景が入り、黒みがかった鉄。
 刃文は小乱れが詰まって、尖り刃が目立つ。焼きは高く一定で、振幅がなく、小反りの典型的な刃文構成。
 帽子は細かく乱れ込み小さく尖って返る。
 入札ついては最後まで迷われる方も多くいらっしゃいました。
 本作には変わり鉄状の地景や詰まった小乱れなど、小反りの特徴的な部分をみられますので、そういったところに注目していただければと思います。

 3号刀 短刀 銘 (新藤五)國光

 姿は僅かに反りがつき、通常みられる内反りの作刀とは異なる。
 また表裏のふくら辺りに二重刃がかかるところや、彫刻が表裏揃うところなどからか、吉光の入札が多くあり、一の札で当てるのは難しい作です。
 吉光で入札し、イヤと返ってきた時に、地鉄に地沸や地景が強くつき、特に下半に杢目調の肌が交じるところがあるところや、
 元に強い金筋が入っているところに注目できれば、二の札で國光と入れることができるかと思います。

 4号刀 脇指 銘 裏、政清 表、應安元十二八(古三原)

 いわゆる延文・貞治頃の幅広で寸法の延びた姿。
 刃文は沈みごころの直刃で、地鉄は総体に板目が流れごころ、棟寄りに杢目が交じり、刃方は柾がかる。
 作風から青江の入札もございましたが、上記の地刃の特徴や、映りの入り方などから古三原とみることが出来るかと思います。

 5号刀 刀 銘 於南紀重國造之

 姿は鎬高く、幅広め、元先の幅差さほどまで開かず、中切先延びごころ。
 刃文は小湾れに互の目、地鉄は表が板目がよく詰み、裏は板目が流れて肌立つ。地刃共に明るい。
 帽子は表裏で異なり、表が焼詰め風、裏は一文字風。
 慶長新刀頃の体配に明るい地刃、小湾れや互の目を焼くところなどから、虎徹や親國貞などの入札がありましたが、
 本作の鎬高く、帽子が焼詰め風、流れ肌を交えるといった部分には大和気質がみられます。
 また帽子が表裏で違うというところは南紀重國の特徴の一つですので、こういったところをみていただければと思います。


 


 第1回定例研究会・総会

 令和元年5月25日、関市文化会館にて第1回定例研究会及び総会を開催いたしました。
 研究会には講師として日本美術刀剣保存協会富山県支部事務局長、山誠二郎氏にお越しいただき、5振りの名刀とそれらの詳細な資料を用意して下さいました。


 1号刀 脇指 銘 表、長曾祢興里 裏、寛文七年二月吉日

 姿は鎬造、庵棟、身幅やや狭く、寸詰まり、元先の幅差つき、重ね薄め、踏ん張りごころがあり、反り深くつき、中切先。
 地鉄は板目に杢目、流れ肌交じり、地沸厚くつき、地景よく入り、冴える。
 刃文は小湾れを基調に互の目乱れ、小互の目・尖りごころの刃など交じり、上半焼幅を広め、裏物打辺より特に広く鎬地にかかり、足さかんに入り、匂一段と強く、沸厚くつき、
 湯走りを交え、砂流しよくかかり、金筋・沸筋総体に長くさかんに入り、匂口明るく冴える。
 帽子は表深く一枚風、直ぐごころに丸く深く返り、裏一枚、共に掃きかけて火炎となり、金筋入る。
 茎は先刃上がり栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔三、指表の鎬筋を中心に細鏨の五字銘、裏の下半に年紀がある。
 本作は上記の出来口から江を意識した作と思われる。


 2号刀 脇指 銘 信國 (応永)

 姿は平造、三ツ棟、身幅の割に寸が延びて浅く反りつく。表に刀樋中の梵字と三鈷柄附剣を浮彫にし、裏は梵字・蓮華・鍬形・二筋樋に添樋を重ねて彫る。
 地鉄は板目に処々大肌交じり、地景細かに入り、地沸厚くつき、淡く映りたつ。
 刃文は小湾れに互の目が交じり、二つ連れた互の目が目立ち、総体に小沸つき、砂流しかかる。
 帽子は小丸に浅く返る。
 茎は先栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔二、指表の目釘孔下中央刀樋にかけて大振りの二字銘がある。
 入札は信國と書かれた方と応永信國あるいは源兵衛尉信國などと書かれた方がいらっしゃいましたが、
 本作は応永ころに多くみられる姿をしていますので、せっかく信國とみられたのであれば、応永信國とみてもよいのではないのかと思います。


 3号刀 脇指 表、備州長舩盛光 裏、應永廿二二年八月日

 姿は鎬造、庵棟、身幅尋常、寸つまり、元先の幅差さほど開かず、先反りつき、中切先。表裏に棒樋と梵字を彫る。
 地鉄は板目に杢交じり、流れごころ。淡く乱れ映りたつ。
 刃文は腰開きの互の目乱れに丁字、矢筈風の刃が交じり、小沸つき、足・葉入る。
 帽子は乱れ込み、尖って返る。
 茎は先栗尻、鑢目勝手下がり、目釘孔二、指表の目釘孔下中央に六字銘、裏に同じく応永二十四年紀がある。
 刃長が53.4cmほどの寸がつまった姿をしていることや、連続した互の目や矢筈風の刃文が交じることからか、末備前に入札された方もいらっしゃいましたが、
 本作の時代にもこういった姿の脇指は多くみられます。またこういった刃文は重要文化財指定の盛光(應永二十三年紀)にもみられます。


 4号刀 脇指 銘 兼

 姿は鎬造、庵棟、身幅尋常、寸つまり、元先の幅差さほど開かず、先反りつき、中切先延び、平肉がつかない。
 地鉄は小板目、処々流れ肌交じり、地沸厚くつき、白け映りたつ。鎬地柾がかる。
 刃文は小湾れに互の目交じり、互の目丁字、尖り刃交じり、足よく入り、小沸つき、金筋入り、総体に砂流しかかる。
 帽子のたれて沸崩れ状となり、強く先掃き掛け、深く返る。
 茎は先栗尻、茎棟丸、鑢目鷹ノ羽、目釘孔一、指表の目釘孔下棟寄りに大振りの二字銘がある。
 


 5号刀 脇指 銘 表、一葉葵紋 主馬首藤原朝臣一平安代 裏、享保拾三年八月吉日

 姿は鎬造、庵棟、反りやや浅く、中切先延びる。
 地鉄は小板目、処々流れて柾交じり、地沸よくつく。
 刃文は浅い湾れ調に互の目交じり、匂深く、沸厚く、荒めの沸つき、砂流しかかり、頻りに刃縁ほつれ、金筋入る。
 帽子は焼深く、丸く返り、やや沸崩れ風がある。
 茎は先栗尻、鑢目桧垣、目釘孔二、指表の棟寄りに一葉葵紋と長銘があり、裏に同じく年紀がある。
 入札は薩摩新刀・新々刀の中で迷われた様です。安代の刃文の特徴としては浅い湾れか直刃を焼くことがほとんどですので、そういったところをみていただければと思います。


平成30年度「支部活動」


平成29年度「支部活動」

平成28年度「支部活動」

平成27年度「支部活動」


平成26年度「支部活動」


平成25年度「支部活動」


平成24年度「支部活動」


平成23年度「支部活動」


平成22年度「支部活動」


平成21年度「支部活動」


平成20年度「支部活動」


平成19年度「支部活動」


平成18年度「支部活動」


平成17年度「支部活動」


平成16年度「支部活動」


平成15年度「支部活動」


平成14年度「支部活動」


平成13年度「支部活動」


平成12年度「支部活動」