当支部会員参加による行事日程
古式日本刀鍛錬 一般公開 刀匠、研師、柄巻師、鞘師、白銀師の実演 会場・関鍛冶伝承館 |
1月2日、2,3,4,5,6,7,8,9,11,12月の第1日曜日 10月は、関市「刃物まつり期間」に開催 ※現在新型コロナウイルス対策の為、休止する場合があります。 |
令和5年度「支部活動」日程
支部活動 | 期 日 | 会 場 |
第1回定例研究会・総会 | 令和5年 5月27日(土) | 関市文化会館 |
第2回定例研究会 | 令和5年 7月22日(土) | 岐阜市南部コミュニティーセンター |
第3回定例研究会 | 令和5年 9月23日(土) | 関市文化会館 |
第4回定例研究会 | 令和5年 11月11日(土) | 岐阜市南部コミュニティーセンター |
第5回定例研究会・祝賀会 | 令和6年 1月13日(土) | グランヴェール岐山 |
第6回定例研究会 | 令和6年 3月16日(土) | 岐阜市南部コミュニティーセンター |
※ 研究会に一般参加・見学を希望される方は事前に、住所・電話番号・氏名・年齢・職業を記してお申し込みください。 |
申込先 : 〒500-8258 岐阜市西川手四丁目20番 日本美術刀剣保存協会岐阜県支部 e-mail houji@pg8.so-net.ne.jp |
(当日の飛び入り参加、および反社会的団体に関係する方は固くお断りいたします。) |
尚、参加会費は 1,000円/1回 を申し受けます。 |
第2回定例研究会
令和5年7月22日(土)、岐阜市南部コミュニティセンターにて第2回定例研究会と初心者講座を開催いたしました。
午前には当支部主催の初心者講座を行い、様々な時代、国の五振りの名刀を鑑賞いただきました。
午後の研究会では講師として当支部の近藤支部長に講師をつとめていただき、今回は初心者の方も参加されていますので、なるべく分かりやすく丁寧に解説していただきました。
一号刀 短刀 銘 備州長舩倫光/康安二年八月日
身幅広く、反りついて、重ねの薄い、いわゆる南北朝の姿です。
湾れ主調の刃文に鮮やかな棒映りが立つところから、
兼光一門には兼光をはじめとして、倫光、基光、
倫光は一番師の兼光に近いとされていますが、
また兼光は帽子がほとんど尖っていますが、本作は大丸風に焼いて
こういったところで兼光ではないなと見て頂きたいところです。
この南北朝の短刀の姿について解説しますと、
その後、南北朝時代に入ると戦の規模が大きくなり、
そういった用途から身幅を広く、厚さを薄くして、切り裂きやすい
本作には棒映りという直線状の映りがたっていて、
これは備前長舩が得意としており、棒映りをみたらまず備前の主流
今回は多くの方が備前に入れられましたが、
二号刀 短刀 銘 兼定
本作は末関の疋定の短刀です。
若干重ねが厚いため少し手持ちが重く、反りがなく、
フクラとは切先の刃先の線のことで、Rが小さい場合はフクラ張る
皆焼を焼いているところから戦国時代に流行した鎧通しとみて、
本作は重ねが厚めではありますが、
これを美濃とみていただきたいのは、
それどころか処々三角形に尖るところがみられます。
また三ツ棟の真ん中の幅が狭いところも美濃の特徴と言われていま
以上の点と鍛えが非常に綺麗なところから、
鎧通しは鎧の錣の隙間から刺したように誤解されていますが、
その為に重ねが厚く、
また通常の短刀の様に左腰に指していると、
先に述べたようにこういった鎧通しは末備前に多く、意外に関には
これは戦国時代の武士の戦い方の違いだと思います。
備前の需要者の中心である西国武士たちは、戦の規模がさほど大き
それに対して関の主な需要者である東海地方の武士は、
とはいえ関の刀工も全国展開してあちこちに供給していますので、
三号刀 刀 銘 肥前國忠吉
一号刀 刀 金象嵌銘 来國□(國行)/依明治三午年十月三日命貮寸磨之上ル 元禄十三年辰二月三日折紙有 光賀(花押) (第40回重要刀剣)
姿は大磨り上げながら反りが深くついており、細身で小鋒、猪首鋒。
古備前や古一文字の入札がありました。地鉄は小板目が詰んだ綺麗な肌もありますが、来派でも國行に限っては本作のように大肌が交った、古備前のような肌もみられます。
刃文ですが、すっきりした直刃もあれば、本作のようなやや大房な丁字のような刃文もあり、國行は作域が広いです。
山城伝と備前伝の乱れ刃の違いですが、山城伝の場合は乱れの頭に高低がつかず揃ってきます。
また小沸が非常に明るく冴えた刃文を焼いており、帽子も直ぐに小丸と上品に焼いていますので國行という極めが肯定できる出来です。
二号刀 刀 無銘 来國俊 (特別保存刀剣)
大磨り上げ無銘ながら反りがついており、若干地鉄に疲れた肌が出ていますが、それ以外の所は小板目が詰んで綺麗な肌合いをしており、その辺りに山城の特徴が出ているのではと思います。また沸映りが非常に鮮明に入っています。
刃文は小沸がついた明るい直刃出来、物打ち辺りに二重刃がかった所があります。二重刃から考えると来、延寿、粟田口などが候補に挙がります。
二字國俊の場合は身幅が広く豪壮で丁字主体の乱れ刃を焼き、来國俊の場合は本作のように直刃出来で細身の出来が多く、本作の場合は二字國俊よりも来國俊と入札する方が良いかと思います。
三号刀 刀 無銘 来國光 (第68回重要刀剣)
来國光は國俊の子供とも伝えられ、作風はかなり幅広いです。
鎌倉時代末期より南北朝期まで活躍するため、来國俊に似た作風から始まり最終的には相州伝を加味した出来口を示します。
この刀の見所は、すっきりとした直刃に足や葉が交り、その足が京逆足になっているところです。
地鉄は小板目が非常に詰んで地形が細かく入っていて、流れたところがない。地景が細かに入っているところを見ると、相州伝が加味された作風かと思います。
帽子は僅かに湾れすっきりと小丸に返っています。 本作には棟焼きが見られますが、来派は棟を焼くと言われていまして、一つの極め所になろうかと思います。
青江の入札もありましたが、青江であれば帽子に尖りが見られ、地鉄もここまで小板目がよく詰んだ肌であれば来と見た方がいいかと思います。
四号刀 刀 無銘 来國次 (第18回特別重要刀剣)
来國俊の弟子或いは来國光の従兄弟と伝えられており、時代的には来國光よりも僅かに下がる出来口を示す物が多いです。
本作も身幅が広く鋒が延び、しかし大磨り上げながら輪反りを呈しているといったところが見所です。
地刃を見ますと、他の来派と共通して小沸出来の直刃で刃中が明るく冴えています。また、二重刃や足、葉が処々入っており、棟焼きがあるといったところも来派の特徴が出ています。
帽子が大丸気味で延寿と見られた方もおりましたが、延寿であれば流れた肌合いが多かったり、白気ごころの映りが立ちます。
五号刀 刀 無銘 粟田口 (第26回特別重要刀剣)
粟田口に極められた刀です。
小板目が非常によく詰んで、地鉄に細かな地沸が微塵に厚くついている所謂粟田口の梨子地肌をしています。肥前の小糠肌にも見えますが、それと比べると地沸のつき方が細かいです。
また刃文は直刃調に葉や小足が入り、処々刃縁に二重刃ごころがあり、金筋や砂流し入るなど変化に富んでいます。こうした刃文も肥前刀とは違う点です。
平成28年度「支部活動」 |